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君(黄身)を守っている 二酸化炭素の功罪(5)

身の回りを眺めてみよう。卵があるはずだ。卵の殻は炭酸カルシウムでできている。雌鳥の体内で二酸化炭素とカルシウムが結合して創られる。黄身を守っているわけだ。

私が小学生だった頃の黒板と白墨も懐かしい。チョークも炭酸カルシウムである。先日母校(京都市立・清水小学校)を訪ねた。立派なホテルに生まれ変わっていたのが感慨深い。

太古の地球は高温高圧の水蒸気と二酸化炭素で覆われていた。地球が少しづつ冷えて海洋ができ、今から2億年ほど前に海洋に溶けた二酸化炭素の一部が炭酸イオンに変わりカルシウムと反応して、石灰藻などのプランクトンや珊瑚礁、貝類など海洋で爆発的に繁殖・進化した生物に使われ始めた。生物が創る石、石灰(炭酸カルシウム)石に二酸化炭素が閉じ込められて、それらの遺骸が海底に堆積した(石灰岩)。大気中の二酸化炭素濃度が下がり、地球を陸上動物が住める星に冷やしてくれたのだ。

これらが陸上に隆起して、セメントの原材料になり、鉄筋コンクリート造の高層ビルやトンネル、防波堤、路盤材などとして、私たちの暮らしを災害などから守ってくれている。つまり太古の二酸化炭素が起源となって、今日の生活を支えているというわけだ。

酸素や食料も全て原材料である二酸化炭素から端を発している。どうやら、私たちは二酸化炭素を悪者にするのではなく、上手く付き合う方法を模索するのが良さそうに思えてきた。

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