すい臓がんの告知~完
17:00頃、看護師さんがベッドまで来てくれて、
紹介状・CDの入った【開封厳禁】の封筒を預けて下さいました。
無理を言って申し訳ありませんでした。
『これをこのまま開けずに、がんセンターに持って行って下さい。』
「2日間でしたが、ありがとうございました。お世話になりました。」
『私もがんセンターでの治療が良いと思います。ぜひ頑張って来て下さい!!』
「先生にもご挨拶したいのですが。」
『先生、今いらっしゃらないので、お伝えしておきますね。
あと、先生からで十二指腸の通り道が狭くなっていますので、お餅・キノコ・タケノコなどは食べないで下さい、詰まる危険があります。
そしてよく噛んで食べて下さい。もし口から勢いよく、噴水のように嘔吐した場合はすぐにこちらにご連絡下さい。』
「分かりました。ありがとうございます。」
1Fの会計窓口の前のベンチで妻が来るのを待ちます。
ぽつんと1人。
看護師さん同士がすれ違う度に聞こえる
『よいお年を~』
『ゆっくり休んでね~』
…あぁほとんどの方が今日から年末年始のお休みに入るんだ。
あちこちで交わされる
『年末の挨拶』
私には異国の地でその土地の文化に触れたような感覚でした。年末とか年明けとか…。
「あぁまた、いつか。自分もああして笑える日が来るのかな。」
と。
そして、それがどこか
「宝くじ当たるかな。」
くらい“将来起こるはずもない事”のように感じました。
会社にも連絡しました。
私はサービス業なので年末年始など、本当に全く関係のない勤務体系です。
『有休もたくさん残っているし、しばらく休みにしておいたから。ゆっくり家族と年末年始を過ごしてね。』
ありがとうございます。
年末年始、家族といられるのなんて初めてでした。
妻からもうすぐ着くと連絡がありました。
外のロータリーで待ちます。
寒いから中で待っててと言われましたが、もちろん外で待ちます。