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iPadでマシュマロテスト

4歳の子どもの自己制御力を育てるのは、親にとって大きな課題です。4歳は感情が発達する大切な時期で、この時期に我慢する力や気持ちの切り替え方を学ぶことが重要です。そのため、親としては、どのようにして自己制御力を鍛えるか工夫する必要があります。

我が家では、iPadを使った「マシュマロテスト」の変形版を試しています。マシュマロテストとは、子どもにお菓子を見せて「今すぐ1個食べるか、少し待って2個食べるか」を選ばせる有名な実験です。これを応用して、娘には「今すぐ5分間iPadを使うか、5分待って15分間使うか」を選ばせ、5分間待てば15分使えるというルールで自己制御力を鍛えています。

最初のテストでは、娘はルールに戸惑い、どうすればいいのか迷っていましたが、2回目には別の遊びに夢中になり、自然とiPadのことを忘れてしまいました。連日この取り組みを続けることで、少しずつ自己制御力が育っていると感じています。

このトレーニングは我慢の筋トレという側面もありますが、気持ちの切り替え方を身につけるという側面も重要です。

さらに、タイマーをセットして、自分でタブレットを閉じる練習もしています。4歳の子どもが、自分で約束の時間を守ってタブレットを閉じるのは、マシュマロテスト以上に難しい課題です。大人の私でも、仕事中に夕飯の声かけをされて気持ちを切り替えるのが大変だと感じることがあるので、その難しさはよくわかります。

利用の質と量を管理しよう

この方法が効果的なのは、タブレットが「誘惑」の塊だからです。娘はYouTubeで歌や踊り、外国語のフレーズを身につけ、「パウ・パトロール」や「おさるのジョージ」「セサミストリート」といった番組に夢中です。最近ではゲームも解禁され、遊びの一環としてパズルやごっこ遊びをしたがることが増えました。これらのコンテンツは、まさに「強力な誘惑」であり、そのため、このテストは非常に効果的です。

一方で、タブレットの使用には注意が必要です。米医師会発行の小児科専門医学誌「JAMA Pediatrics」によると、3歳半でタブレットを使い始めた子どもは、1年後に怒りっぽくなる傾向があると指摘されています。タブレットを見ている間は気持ちが安定し、それに慣れてしまうと耐性のレベルが低下して、逆に使えないときに不満が爆発するという現象なのでしょうか。(確かに、私の娘も以前より怒りっぽくなったように感じることがあります。しかし、これはタブレットの影響だけでなく、成長に伴う自我の発達も関係しているかもしれないと思うところがあります。)

では、タブレットを全く使わせないほうが良いのでしょうか? そうではありません。

タブレットは、従来のテレビでは得られなかった多様な学習機会を提供してくれます。例えば、娘が知らない物事が話題に出たとき、WebページやYouTubeを使ってイメージを掴ませることができます。テレビや百科事典しかなかった時代では考えられないほど簡単にイメージを見せることができます。親が手助けしなくても、娘がパウ・パトロールや他の番組で学んだフレーズを使う姿を見ると、タブレットが彼女の成長に寄与しているのを感じます。最近ではプログラミングにも興味を持ち始めました。将来的にはタブレットを利用して一緒に簡単なゲーム作りを学べるかもしれません。

また、感情制御のトレーニングにもタブレットは役立つのは冒頭に述べた通りです。

完全に使わせないのは勿体ないと思います。スティーブ・ジョブズが自分の子どもにタブレットを使わせなかったという逸話がありますが、もしそれが事実ならば、彼の方針は少し行き過ぎだったと私は思います。

一方で、タブレットの使用時間が長すぎるのは問題です。感情制御だけでなく、過度な使用は視力の低下や、他の活動時間を奪うリスクがあります。iPadOSの「スクリーンタイム」機能やYouTube Kidsのタイマーを使い、使用時間を適切に管理して視力低下や依存を防ぐことが大切です。

また、子どもに見せるコンテンツにも注意が必要です。暴力的な動画や不適切な言動が含まれるコンテンツは避けるべきです。YouTube Kidsのフィルタリング機能を使って、適切なコンテンツを選び、悪影響を及ぼすものは早めにブロックすることが重要です。

親として、タブレットを使わせる際にはしっかりと関わり、利用の質と量を管理することが求められます。我が家では、娘がタブレットを使っている時、私はそばにいて何を見ているか、どう反応しているかを見守っています。そして、娘が学んだことに対して質問したり、会話をしたりして、単なるコンテンツの消費に終わらせず、理解を深める機会にしています。「これは何々に似ているね」「これをうちでやってみたらどうなる?」といった問いかけで、彼女の興味を引き出し、学びを広げています。(このような関係が何歳の時点まで継続できるかは不安な点の一つです。)

適切に使えば、タブレットは子どもの成長にとって大きな力になると私は考えています。

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