読了:論語と算盤

読了:論語と算盤
渋沢栄一 (著)

【概要】
現代語に近づけているので読みやすく理解できる。渋沢栄一は実業家であり、約480社もの企業の創立・発展に貢献し、日本資本主義の父と呼ばれている。企業家のために書かれた経営哲学書であるが、現代に生きる全ての人の心の拠り所。経済活動で大切な精神面を説いたもの。現代人のモラルはどうして低下したのか。今こそ論語で道徳教育。時代が変わっても変化しない人間と人間社会の本質。人格を磨くこと、利益を追求することの両方が大切。モラルの低下、コンプライアンスの遵守などは全て道徳教育が基本である。「よく集め、よく散ぜよ」正しい方法で稼いだ金を、正当に支出することで経済は進歩する。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。

読了:超約版 論語と算盤
渋沢 栄一 (著), 渋澤 健 (監修)

【概要】
◎大河ドラマ「青天を衝け」主人公に!
新一万円札の肖像に!
混迷の時代に求められるリーダーの資質とは?
ポストコロナのいまこそ、渋沢栄一の理念を!
「近代化の父」不朽の古典が、
読みやすい現代語抄訳で蘇る。
――玄孫・渋澤健氏による監訳者コメント付き。

【所感】
私の母校では、「先生」というのは創立者たる福澤諭吉先生ひとりに限り、生徒はもちろんのこと、教職員にいたっても「君(くん)」づけで呼ぶならわしがあります。
たとえば、教務の掲示板などにも
「○○君休講」という具合です。

さて、そんな中、俺たちの「先生」から取って代わって一万円札に印刷され始めた奴がいる。
なんか、「近代日本経済の父」とか言われて錚々たる企業の設立に関わりまくっていたという話だが、僕らからすると正直、「なんぼのもんじゃい」という気持ちがありました。
が、すごかった。
これは1万円札になるわと思いました。

何年か前に社長に教えていただいたビジネスに対する考えで、僕が好きな言葉があります。
【右手にロマン(理念・ビジョン)、左手にソロバン(実践・利益)】
どちらが欠けても成り立たないよねという話ですが、正にこの「論語と算盤」から来ていたのですね。

今回、理解を深めるために渋沢栄一の論語と算段、それに渋沢栄一の玄孫によるコメント付きの現代語抄訳をまとめて読みました。
似たような本、近い本をまとめて読むというメソッドを最近覚えました。

そして、
〇商売は利益を追求するのが目的だ、自分さえ利すればそれでよい。他人の迷惑は知らぬ存ぜぬ、という考えを持っている人がある。それゆえに、利殖と道徳とは一致せぬという人もあるが、これは間違いで、そんな古い考えは今の世に通用させてはならない。

これを約100年前に言ってるの強い。
昨年は我々の業界でも不正問題が大きくクローズアップされたので、タイミング的にも良かったかもしれません。

日本ハムの栗山監督も
「ギリギリの勝負担たとき、勝敗を分けるのは人間力。人間力をつけるには「論語と算盤」を読めばいい。
と言います。
これは、そのままビジネスの現場にも当てはまる話かもしれません。

「老いてこそ、ますます希望をもって勉強する」
┗「学ぶ」とは何か知識を得ること以上に「正しく問うこと」だと言います。希望と好奇心をもって学べる人材でありたいと思います。

また、その「学ぶ」も日常のあらゆることが学びがあるので、注意を怠らないように心がける。

〇変化が読めない時代こそ、信に基づく商業道徳が必要
┗やばい。100年前にVUCAの時代を見越してた。

ここでいう「信」とは信用であり、信頼であると言います。
信があれば会社の将来に希望を持てますし、それをもっていればあらゆるステークホルダーは一緒に価値を作っていくパートナーになると言います。
これはまさに、「未来と顧客を創造し」に繋がる部分だと感じました。

〇自分の利益よりも組織や社会の利益を優先
素晴らしい。
孔子、儒教の教えって良いなと思いました。

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