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読了:キーエンス流 性弱説経営

読了:キーエンス流 性弱説経営
高杉 康成 (著)

【概要】
超高収益企業キーエンスを貫く1つの根本的な考え方「性弱説」をあらゆる側面から解説―――。

今まで誰も真正面から取り上げてこなかったキーワードを、日々現場で忙しく働く若手から、たくさんの部下を束ねる管理職から経営者までのすべてのビジネスパーソンに向けて、キーエンス出身の著者がとことん掘り下げて伝えます。

本書は、性弱説の考え方と、キーエンスが採用する具体的な制度の成り立ち・役割を学びながら、自身の日々の働き方を改革する仕事術の本です。同時に、部下のやる気を引き出し、組織全体の成果・効率を高めるマネジメント・組織論の本でもあります。

著者はキーエンスの中枢である新商品・新規事業企画担当を長年に渡って任されてきた高杉康成氏。キーエンスを退職後、中小企業から大企業まで多くの会社を指導する中でずっと感じてきたモヤモヤは「キーエンスと他社の違いは何か」というものでした。

その答えが、「日々の活動が性弱説に基づいているのかどうか」。キーエンスの制度を細部まで解説し、一般的な会社とどう異なるのか、どういう視点を持てば変えていけるのかを丁寧に伝えます。

「キーエンスと同じ水準でできるわけがない」と躊躇する必要はありません。一部の分野だけでも、キーエンスの半分程度の密度で働けるものを持てれば、その人はその時点で、一般的な会社において間違いなく優秀な社員になっています。

【所感】
ちょうど今期のチーム組織体制の見直しを進めているタイミングだったため、本書から学んで取り入れられそうなことが多く、大変勉強になりました。

本書の内容の一部はビジネス誌に転載されており、サイボウズでもその内容が紹介されているので、いくつかのエピソードは見たことがあったが、全体を通して読んでみて、改めて理解が深まった。

当社でも「性弱説」という考え方は普通に使われるようになって久しいが、人は常に怠けたがる、手を抜きたがるという前提に立ち、仕組みを整えて高いパフォーマンスを追求するという考え方は『悲観的に考えて、楽観的に行動せよ』ということわざに通じると思いました。

人間の弱さを受け入れたうえで、それをカバーする仕組みを作ることが持続可能な組織づくりの本質なのだと感じました。

一社員あたり年間7000万円の粗利を生むキーエンスの時間当たりの付加価値生産額は3万円だという。
(年間240日、残業2時間含み10時間/日で計算)

これを2000万円を目指す当社に当てはめると約8,500円という計算になる。
営業部門でいえば2万円程度が一つの目安になるかもしれません。

本書からの学びで実際の仕組みとして取り入れたいものは

  • 「KPIパラメーター」という手法です。
    「KPIパラメーター」は、業務において成果を出すために必要な要素を洗い出し、測定し、可視化した数値を指します。

自社の提供価値を整理し、特にハイパフォーマーがどの職種のどのステータスに注力しているか可視かできるようにし、差異分をミエルカさせます。
その後が大事なのですが、各営業マンに「自分で」注力項目を「2つ」選んでもらうことで自分事として取り組んでもらいます。

  • 「事前報告」
    もう一つ、求職者面談の質を継続的にコントロールする仕組みを取り入れたいと思い、求職者面談の週次FBを考えていましたが、事後報告だけでは「後の祭り」になりがちなので「事前報告」を組み合わせる形が良さそうです。
    事前報告で何をするかといえば、「事前準備状況」の確認が中心です。
    「面談シナリオ」「面談資料」「個人スキル」の確認となります。

「仕組みを動かす仕組み」を意識して設計し
「個々人の能力を高めつつ、属人化させず、仕組みで成果を目指す。」という考えは大いに共感できるものでした。

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