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保護犬と歩む人生 ~愛犬介護に向き合う飼い主さんを支えたい~
犬猫生活には、わんちゃん猫ちゃんと様々な形で関わりながら暮らしているスタッフがたくさんいます。そんな犬猫生活スタッフのわんにゃんライフをご紹介するシリーズです。
今回は、保護犬2頭と暮らす、海上千尋さんのストーリーをお届けします。
※文中は、社内愛称の「ちーちゃん」でご紹介します。
ちーちゃんは、犬猫生活のイベント担当としてもおなじみで、とっても明るい、太陽のような人です。シニアわんちゃんへの想いが強く、将来は「老犬ホーム」をつくることが目標とのこと。長く不動産のお仕事をしてきた彼女が、どんな経験を経て、今その目標を持つに至ったのか、聞きました。
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海上 千尋(うながみ ちひろ)
不動産デベロッパーで、賃貸、売買、土地の仕入れなど、幅広い業務に携わった後、保護犬を迎えたことをきっかけにわんちゃんに関わる仕事に就きたいと考え、「GREEN DOG & CAT」を運営する株式会社カラーズに転職。その後、フリーランスの不動産エージェントなどを経て、2024年に犬猫生活に入社。イベント企画や卸の営業を担当。現在は、週末を中心に、女性の一人暮らしや、ペット可マンション専門の不動産売買エージェントとしても働きつつ、2頭の保護犬、メリアちゃん(18歳)歩ちゃん(推定5~6歳)と暮らす。
不動産売買エージェントとしてのインタビュー記事
■ハワイ移住の予定が、突如、保護犬と暮らすことに
「当時、不動産の仕事をしていたのですが、ハードワークすぎて、ハワイに移住しようと思っていたんです。」
ハワイ!?わんちゃんと暮らし始めた経緯を尋ねると、意外な話が始まりました。
「有休を使い、ハワイに短期留学&ホームステイに行きました。ハワイでの生活や仕事の方向性を決め、移住準備のために一時帰国したとき、なぜか突然、保護犬の譲渡会に参加しました。そこで、なーちゃん(最初に暮らしたわんちゃん)と出会い、ハワイ行きを白紙に。なーちゃんと暮らすことにしました。」
支離滅裂なお話です(笑)。
「自分でも、やってることがめちゃくちゃだなと思います(笑)。でも、ハワイ移住より、救える命がある(保護犬を迎える)ことに気づき、『ハワイは旅行で行けばいいや!』と誰にも相談せず即決しました。」
ちーちゃんは幼いころから実家でわんちゃんと共に育ち、いつか保護犬を迎えたいと思っていたそう。
「責任を持ってわんちゃんと暮らせる覚悟と自信が持てたときに、自分の子として保護犬を迎えたいと思っていました。でも探し始めてみると、1人暮らしの30歳の私に譲渡してくださる団体さんがなかなかなくて…。唯一、面談してくれたところが、なーちゃんを保護していた団体(※)でした。
なーちゃんは、繁殖犬の多頭崩壊現場から保護された12頭のうち、『あの子が一番体を酷使していてボロボロだよね』と言われていた子でした。目がビー玉のように死んでいて、しっぽも完全に下にロックして、おやつにも見向きもしない。
すぐ、この子にしようって思いました。心閉ざしてる子、好きなんですよ(笑)。私、心を溶かせる自信があるので、『うちにきたら、きっと笑顔になっちゃうよ!』って思いました。」
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■介護を経験、大変だったけど愛おしい時間
なーちゃんは当時推定8歳〜10歳。その後7年ほど一緒に暮らし、最後の1年は介護が必要だったそうです。
「最後の半年は寝たきりで、徘徊、おもらし、夜間の覚醒と状況も目まぐるしく変化しました。お風呂に入っていても呼ばれるし、スーパーにも行けない。寝不足のまま仕事もあり、正直イライラしていました。
でも、最期には、7年で一番大変だったけど、一番愛おしい時間になりました。」
「どうにかしなきゃ」という焦っていたところから、ありのままを受け入れられるようになったことで、徐々に気持ちが変わっていったそうです。
「ご飯を食べないなら食べられるものを食べればいい。散歩ができないなら日向ぼっこでもいい。寝たきりでも、友達とドッグカフェに行ってもいい。そんな風に思えるようになって、気持ちの余裕がうまれていきました。」
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■シニア犬の魅力にはまった
なーちゃんは、長い介護生活の後、推定15〜17歳で亡くなりました。
「亡くなったのが12月23日で、年内はロスに浸ろうと決めて、周りが心配するくらい悲しみました。でも年が明けて、気持ちを切り替えて、すぐ次に迎える保護犬を探し始めたんです。」
想いが強いほどロスを引きずる人も多い中、どうして切り替えられたのでしょうか。
「私も、いつまででも悲しんでいられるほど、悲しかったです。でも、なーちゃんは精一杯生き切ったし、私もやり切ったと思えました。
私は生涯たくさんのわんちゃんと暮らしたいと思っていたので、なーちゃんとの経験を活かして、次のわんちゃんを幸せにしたいと思ったんです。」
こうして迎えたのが、当時15歳のメリアちゃんと、四肢が麻痺していた歩ちゃんです。
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「なーちゃんと暮らして、シニアの子の魅力にはまりました。一生懸命生きていて、存在が愛おしくて。次の子もシニアの子を迎えようと思ったんです。
メリアは、なーちゃんが亡くなった日に、保健所に保護されたと聞いて、運命を感じました。腎臓が悪く、全盲の子でしたが、うちに来たときは、わがままおばあちゃんという感じで、全然なーちゃんと性格は違いましたね(笑)。」
その後、迎えたのが、歩ちゃん(当時推定3歳)です。
「歩ちゃんは、公園にポツンと捨てられていたところをレスキューされた子で、四肢が麻痺して歩けない状態でした。保護団体さんの『全身麻痺の子をレスキューして検査入院中です』というブログを見つけてすぐ、うちで幸せにしたいと思い、その日のうちに里親応募フォームに問い合わせをしました。歩けるように『歩(あゆみ)』と名付けたんです。今では元気に歩いています。」
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今は、18歳になったメリアちゃんの介護が本格化しているそうです。
「寝たきりの一歩手前で、自分では起き上がれなくて、でも動きたい気持ちもあり、今が一番床ずれができやすい時期なんです。もともと腎臓ケア中なので、自宅で腎臓の点滴を打ったりもしています。
『このおうちに来れてよかった』と最期に思ってもらえるように、毎日を過ごしています。」
■犬猫生活との出会い
「なーちゃんを迎えた後、わんちゃんに関する仕事がしたいと思って、ペット関連の企業に転職しました。
その後、なーちゃんが介護状態になったときに、フルリモートの仕事でなければ続けられないと思い、フリーランスの不動産エージェントをやっていました。個人のお客さまの住まい探しをお手伝いする不動産のお仕事も大好きなんです。
それらの経験から、私のキャリアは『不動産』と『わんちゃん』の2軸で行くと決めていたとき、犬猫生活に出会いました。」
入社の決め手は?
「メリアと歩の介護のために、フルリモートで働ける環境を探していました。犬猫生活は、職種によってそれが実現できる点が魅力的でした。
もう1つは、財団法人を作って、自分たちで保護犬の事業をやっていたことです。保護犬に近いところで仕事ができるなら、自分の経験が活かせるし、自分の頑張りが直接的に保護犬のためになって、すごくいいなと思ったんです。経済性と社会性のバランスがとてもよいと思いました。」
入社後の感想は?
「犬猫生活、最高です!!(笑)和気あいあいとして、自由な雰囲気がありつつ、企業としてきちんと成長していけることは簡単ではありません。ペット業界外からの転職者も多いですが、みんなわんちゃん猫ちゃんが大好きで、いい人ばかりです!」
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■老犬ホームをつくるという夢
今はイベントの企画や、犬猫生活の商品を販売してくださる店舗さまの開拓・営業のお仕事をしています。
「両方とも、犬猫生活を知ってくださる方を増やせるお仕事で、とても楽しいです。私たちの活動は、保護犬や保護猫の活動に還元されるので、犬猫生活が成長していくのはいいことだと思えるんですよね。もっとたくさんの人に知っていただき、支持されるブランドにしていきたいです。」
そして、将来の夢は、老犬ホームをつくることだと公言しています。
「飼い主さんの支えになれる老犬ホームを作りたいんです。
メリアは、15歳で捨てられて、私のところにきました。15歳といったら、わんちゃんの生涯、あと数年ですよね。あと数年頑張れば、元の飼い主さんも最期まで一緒にいれたのに…。その「もうちょっと」を支えたいんです。
自宅兼老犬ホームとして、24時間スタッフさんがいて、日中の預かりもできるのが理想です。私がなーちゃんの介護のときに、24時間スタッフさんがいて信頼できるところを探したのですが、なかなか見つからなかったんですよね。日中の預かりもあると、お仕事と介護の両立もしやすいんじゃないかなと思いました。
いつか犬猫生活の中でやれたらいいなと思っていますが、個人の夢であり、目標です。」
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<保護団体さんの情報>
▼ちーちゃんより
私のような単身者でも、わんちゃんの個性や状態、迎える側(里親)の環境や状況によっては、譲渡のご相談が可能な信頼できる団体さんです。保護犬を迎えたいと思っていらっしゃる方のために、参考に情報を掲載致します。
なーちゃんの出身団体
ボンバードッグさん(HPはなく、ブログメインです)
メリアちゃんの出身団体
ワンダフルドッグス
歩(あゆみ)ちゃんの出身団体
アグリドッグレスキュー
また、犬猫生活福祉財団でも、保護犬・保護猫の譲渡を行っています。譲渡会やオープンシェルターも頻繁に開催しているので、ご関心のある方はぜひサイトをご覧ください。
https://inuneko-fukushi.or.jp/
今後も、犬猫生活スタッフのインタビュー、商品開発の裏側などをお伝えしていきます。ぜひnoteのフォローもお願いします!
犬猫生活では、国産・無添加(※)のプレミアムペットフードの販売や往診クリニックなどのペットケア事業を展開しています。また、犬猫の動物福祉の向上を目指し、一般財団法人犬猫生活福祉財団を立ち上げ、利益の20%を継続寄付し続けています。
犬猫生活の商品やサービス、企業の取り組みに関心を持ってくださった方は、ぜひ以下から詳細ご確認ください。
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