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私が行っている楽器調整内容

ベーシストの楽器の出したい音を出すお手伝いをしているhirokiと申します。
主にエレクトリックベースを弾いていて楽器の調整や楽器、pu製作、ジャズベースタイプのpu集めが好きなことから、puはじめとしたパーツ選びの相談を受けることが多いです。


色んな楽器の調整の合間に自分の楽器の調整を行なっていますが、私が行っているメニューや、私自身の調整(特に名前をつけているわけではないのですがとりあえず「トータルセットアップ」という名前にします)の考え方、特徴を投稿現時点(2025.1時点)で書いてみようかと思います。










1 トータルセットアップ(楽器調整)について

 楽器店はじめ色々な素晴らしい技術者の方々が色んな調整を行っています。
 正直が私が行うセットアップが万人に合うとは思いません。


・実際に私の所有する調整した楽器触っていただいて好みであるかどうか(コレが一番大事)

・note内容をお読みいただく

・私自身のSNS(X,instagram)の投稿を見ていただく

・SNSや実際お会いして人間的に合うかどうか

・あとは私が所有している楽器と同じ楽器を所有していて同じ悩みを抱えている可能性もあるのでそれでご判断いただく


など技術的なことに加えて一番は人間的に信頼できるか、合うか、ということと思っています。


 コンセプトは、


 楽器の特徴を殺さない程度に弦高を低めにする。
 どのポジションでも同じ弾き方で極力同じニュアンスの音が出せる。

 
 が主な内容です。


 楽器を削ったり部品を交換したりといった手を加えることを全くしない調整(ネジを締めるだけ等)をする、ということはあまりやっていません。

 

 というのも私自身が行いたい調整をするにあたって大体、トラスロッド調整してブリッジサドルで弦高を調整はしたものの、

・フレットの高さによってやりたい調整ができない(フレットの高さ調整(擦り合わせ)、場合によってフレット交換が必要)

・ナットの溝の調整(場合によってはナット交換が必要)


 
 という場合が多いからです。


 次に具体的な作業を紹介します。

 



2 トラスロッド調整


 ネックの反り具合を調整するのがトラスロッドで専用のレンチの締め具合でネックを調整する作業です。

 ネックの状態や音を聴いて、私自身がいいと思うトラスロッドの締め具合を調整します。

 トラスロッドの締めによってネックの剃り方が変わるのはもちろん音にも結構影響すると私自身は考えており、物理的なネックの反り具合からトラスロッドを調整することはもちろん調整したことによる音の変化を聴きながら、ここがいいのでは、という位置を決めて楽器を調整(このあと出てくるフレット擦り合わせ、ピックアップ高さ調整など)をしていきます。




3 弦高調整


 私がいいな、と思う弦高をブリッジサドルの高さ調整により決めていきます。

 基準として12フレット上で何ミリ(色んな計り方あると思いますが、チューニングされた状態の弦の底面を、12フレットの一番高い部分の間が何ミリあるか)というのが使われますが、私は何ミリにしたい、というのありきて決めていないので楽器によってまちまちですが、大体

 2〜2.5mm

くらいになっている気がします。


 過去の記事でも何回か触れていますが高さの判断として、


・2フィンガーピッキングで指を深めに弦の下方向に強めにピッキングした時の音の反応

・ピック弾きでジャズベースタイプのネックピックアップ付近で強く弾いた時の音の反応

・スラップでのサムの振り抜き型をネックエンド付近で行った時の音の反応

・スラップでのプルで12〜15フレット付近でプルを行った時の音の反応

・5弦ベースでの12〜15フレット付近での音の反応


など他にもありますが上記は結構試しているポイントです。


 



4 ナット溝の調整、フレット擦り合わせ


 物理的にできるだけ低くする、を目指すというより、低くしても楽器のその楽器らしい音がでる加減を弾いて判断して調整しています。

 責任放棄するつもりはありませんが、これは私自身の判断であり、必ずしも万人受けするものではないですが、目指していることを少しあげると、


・どのポジションでも同じような弾き心地(私自身が苦しんだ例としてマーカスミラーをコピーしたときに高フレットでのスラップの音が出しにくい等をなくすなど)

・奏法(2フィンガー、ピック、スラップ)によって弾き方に気を使わないこと

・弦楽器特有の強く弾いたらビビる音は楽器の特性、弦楽器の音楽表現として素敵なファクターと考えている一方、ビビり方が良くないと低音のないスカスカの音になるので加減すること

・私自身指が細くピッキングが強い方ではないため基準の弦高は少し低め。これを理解、想定した上で少し強めの人は少しビビりやすい傾向にあるけどビビってもベースとして必要な低音(ビビりは楽器の音の表現の一つとなるような音)が出ること(弦高高めにしたい方は楽器お渡しの時に希望聞いて少しあげ目でお渡しします)。


 一度私が所有して調整している楽器を弾いていただくのが一番だと考えています。

 余談ですが、楽器店等で何本か楽器弾いてここの調整自分に合うな、と思ったらそこにお願いするのが一番です。


 
 



5  ピックアップ調整


 主にピックアップの高さ調整を行います。

 沢山のピックアップ(特にジャズベースタイプ)を試してきた経験から私自身がよいな、と思う高さを調整します。
 
 高さの調整はネジを回すだけの作業でドライバーくらいしか道具を使わず一見楽な作業ですが結構高さで音の印象は変わります。

 音が気に入らないからピックアップを交換したいという相談も私自身受けるのですが、弦高調整+ピックアップ調整だけで済むケースも結構多いです。


 ピックアップの高さも楽器を弾く方がどんな弾き方をするかによって最適な高さが変わる、と考えています。

 私自身はピッキングが強い方ではないので結構近くにしていると思います。

 


6 最後に


今回は私が行っている基本的な調整(トータルセットアップ)について書いてみました。

お伝えしたいのが私はただプレイアビリティをよくする(弦高低くしたいなど)というだけでなく楽器の音聴いて音決めていっています。


音を変えたい、という相談を受ける中で、この楽器買いたいけどどうですか?とか相談受けることあります。

購入しないと難しいこともありますが、楽器そのものを購入しなくても手持ちの楽器を調整したり、調整で足りなければ少しパーツ変えて調整してもらったりで解決することもあります。
 

とはいえ、パーツ交換して試奏なんてできないし、という交換して違った音になるかと、という心配もあるか思います。私もそうでした。


楽器の調整やパーツ交換の経験からこんな音になりそうだよ、とか何となく今の楽器の音が不満で音を変えたいんだけど何からてをつけていいかわからない、といった悩みを聞いて、

その人にとって意味のある楽器の調整
その人にとって意味のあるパーツ交換

をするお手伝いをしてプレイヤーを幸せにしたいと思って私自身楽器を調整したり日々勉強しています。


皆様にそれぞれにとっての、弾いてて心地よい楽器に出会えて弾くのが楽しくなるヒントになればと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。


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