ドラッグストアの入口で3万円を拾った途端、人見知りが消滅した話
先日、妻と初詣に行き、おみくじをした。
大体、毎年、吉か末吉あたりが出るので今年もそれくらいかなと思っていたら、出たのがこちら▼
人生初の凶。妻は一瞬驚いたあと「凶なんかあるんや。凶引く人初めてやわ」となんだか楽しそう。
その翌日ドラッグストアに寄る。
電車に乗り出掛ける用事があったので、駅に着く前にドリンクを買っておきたかったのだ。
入口の自動ドアが開いて入店すると、外から入った風を受け玄関マット上で何かがヒラヒラはためいている。
「おや?」と目を落とすと、福沢諭吉が数枚足元に落ちていた。
瞬く間に脳内でいろいろな言葉があふれた。
「何があった?」「どうしよう?」「放置しとくか?」「いや拾うべき?」「拾い上げていいのか?」
など数秒の間に、思考がめまぐるしくなり自分会議が始まる。
しかし気が付くと足元にあった一万円札3枚を拾い集めていた。
人見知りの僕は普段から店員さんに声を掛けたり、何か尋ねたりするのが苦手だ。
どうしてもというときは声を掛けるが、なるべくそういったことは避けたいタイプ。
しかしこのときは「早く店員さんに、一万円を渡さないと!」と謎の使命感が生まれていた。
内向的で人見知りの僕だが、責任感が強い方なので「これをするのは自分の役目」と確信できた瞬間、堂々としたキャラが宿るのだ。
店員さんを見つけて「一万円札がどこで落ちていたのか」を伝える。
店員さんも初めてのことだったのか、少し驚いていたが「届けていただいて、ありがとうございます」と丁寧にお礼を口にされていた。
予期せぬ事態だったが、少し気分が高揚している。
僕は店を出て駅へ向かって電車に乗ってから気づいた。
「あっ、ドリンク買い忘れた」と。
う~ん、凶。