繊細さんの躁的防衛「アップダウンの激しかった社長」
僕が20代の頃に、とてもお世話になった社長さんがいました。
僕がこの人の会社で働いていたわけではなく、ふとしたことでお知り合いになり、なぜか馬が合ったというか気にいっていただいて、度々飲みに誘っていただきました。
自分で会社を立ち上げただけあり、すごい行動力を持っておられる方でした。
外国語が堪能で、単身海外の農家へアポなしで赴き、いきなり契約をとってくるような人物。
有名人の知り合いも結構な数いて、「えっ、あの人とつながっているんですか!?」と当時、憧れた記憶があります。
話を聞いているだけで「スゲー!」を連発したくなる、波乱万丈の人生を歩んでこられた方です。
この人、めちゃくちゃ明るいのですが、ある日ピタッと連絡が止まり、しばらく音沙汰がなくなるということが度々ありました。
さて躁的防衛という言葉があります。
躁的防衛とは、無理やり明るいキャラクターを演じたり、気を紛らわせたり悲しい気持ちに蓋をするなどの防衛行動。
あの頃は、躁的防衛という言葉を知りませんでしたが、今思うと、あの人は恐らく躁的防衛がスタイルになっていたのではないのかなと思うのです。
たくさんでいるときは、ワチャワチャと楽しく場を盛り上げる人気者タイプ。
子どもからも好かれやすく、一緒に銭湯へ行ったときは、初対面の男の子が「遊んで~」と寄ってきたことがありました。
僕とふたりっきりになると、途端に静かになって割とナイーブなことを口にすることも…。
実は家でひとり読書をしている時間が、最も落ち着くのだそうです。
こっそり教えてくれたのですが、心のキャパシティーがいっぱいになり溢れてしまうと、人と会えなくなるとのこと。そうなった際は数日間、家の中で誰とも会わずに過ごされていたそうです。
根っこはかなり繊細がゆえに、その心を守る術が躁的防衛だったような気がします。
失礼ながらパッと見た感じは繊細さを感じさせない人なのですが、かなりの繊細さんだったであろうと推察しています。
HSS型HSPの気質を持っておられたかもしれません。
ここ数年は全く会えていません。今どうされているでしょうか?
今でもあの人らしく、お元気に過ごしていると嬉しいです。