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コロナで分かった、考え方を知らない世の中。

 コロナにかかった人への誹謗中傷や、その人の住む家に石を投げこむなどの事件が起こっている。おれには何故そんなことができるのかが分からない。「自分がもし、コロナにかかった」時のことを考えるからだ。そんなことをして自分がかかった時に、周りに何をされるのか分からないからだ。

 どうもそういう行動ができる人間は「もし自分がコロナにかかったら」という「考え方」を知らないようだ。

 昨今、簡単にデマが広がっていく。「マスクだけでなく、トイレットペーパーなんかの紙もなくなるらしい」というデマが広がり、各小売店から紙類が消えたのは記憶に新しい。「息を10秒止められたら、あなたはコロナではない」などというデマも多くの人がSNSで拡散し、WHOが公式に「そんな事実は存在しない」と声明を出すほどになった。

 どうやら多くの人々は「それはデマなんじゃないか?」という「考え方」を知らないらしい。

 この情報化社会において、人々は無限大にも等しい多くの情報を得ることができる。しかし、その情報のどれが正しいかを見抜くのは容易ではない。もし得られた情報が誤りであった時、何が起こるのか。それを考える「考え方」を知らない人がたくさんいる。

 おれが知ってほしい「考え方」は、「自分と逆の立場になって考える」ことと、「得られた情報が間違っている可能性を考える」ことの二つだ。

 SNSで誹謗中傷をする人。お店でちょっとしたことで怒り、クレームをつける人。暴力をふるう人。それをされた「相手の立場」になって、もしされたらどんな気持ちになるか考えてみて欲しい。

 そして何より、「自分が相手の立場になる可能性」も考えてみて欲しい。「コロナの感染者」をたたく人、「不倫した芸能人」をたたく人。自分が「相手の立場」になる可能性はほんとうに0だろうか。

 コロナの感染予防に役立つ情報。簡単にお金を儲けられる方法。これからレポートに書こうとしているWikipediaの解説文。同僚の黒いうわさ。その情報がもし「間違っていたら」なにが起こるのか。「間違いない」と思うならその根拠はなんなのか。一度考えてみて欲しい。

 「答えのある問題に対する答え」を求めるだけの教育が中心になっているこの日本において軽視されているものがある。それは「自分の頭で考える」ということ。与えられた情報を享受し、周りや感情に流された行動をとる。しかし、一度自分に問いかけるだけで「自分の頭で考える」ことは、少しでもできるはずなのだ。そして「自分の頭で考えて」決めた行動をとることは、本人の幸福感や満足感にも繋がる。

 それでも「自分の頭で考える」ことができないと言う人は、世の中に溢れているのだろうけども。

 

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