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「スカボローフェア」に込めた祈り

昔なんとなく買ったCDに、サラ・ブライトマンが歌う「スカボローフェア」という曲が入っていた。

そのCDには他にも、同じ時期にヒットしたアーティストの曲がたくさん収録されていたけれど、「スカボローフェア」がとにかく気に入って何度も聴いていた。10年以上前のこと。

スカボローフェアが好きだったから我が家の庭にローズマリーを植えた。

Are you going to Scarborough Fair?
Parsley, sage, rosemary and thyme
Remember me to one who lives there
For once she was a true love of mine.

スカボローの市へ行くのですか?
パセリ、セージ、ローズマリー、タイム
そこに住むある人によろしく言ってください
彼女はかつての私の恋人だったから

最近思い出して「スカボローフェア」について少し調べてみたら、元はイングランドの伝統的な民謡だと知った。吟遊詩人に口頭で歌い継がれてきた民謡は、長い年月をかけて変化してきたという。

更に調べていくと、サイモン&ガーファンクルとアンディ・ウィリアムスという人たちが「スカボローフェア」を歌ってる動画を見つけた。聴いてみたら、自然と涙が溢れてきた。心の深いところまで響いてくる柔らかいものを感じた。

それ以来よく聴いている。

つい先日、映画『ロード・オブ・ザ・リング』を観たからか、戦場の兵士の姿が鮮明に歌と重なるようになった。

兵士にも日常があり、愛する人がいて、平和を願っている。

その兵士たちの傷を、癒してくれる音楽なのかもしれないと感じた。

そして今。兵士ではなくても、なにかと必死に戦っている人はたくさんいる。

私もそのひとり。

疲れたらまた聴こう。


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