パチンコ機製造大手の株式会社三共(SANKYO)の財務諸表(第59期第1四半期)を見てみる
「"稼ぐ力"が向上、営業利益率「改善度」ランキング」という記事が目についたので、今回はこの中に登録する株式会社三共(SANKYO)をEDINETで調べてみることにした。
・四半期連結貸借対照表,バランスシート/BS
まずは「貸借対照表,バランスシート/BS」。大きな数字と気になるものに着目する。資産の部から。まず有価証券(流動資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、1749億円だったのに対し、当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)は、1749億円とほぼ変化なし。投資有価証券ではなく有価証券が流動資産にきている。次に現金及び預金(流動資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、926億円だったのに対し、当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)は、900億円と減少している。次に受取手形、売掛金及び契約資産(流動資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、281億円だったのに対し、当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)は、245億円と減少している。次に有形固定資産で前連結会計年度(2023年3月31日)が、266億円だったのに対し、当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)は、268億円と増加している。次に投資有価証券(投資その他の資産)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、114億円だったのに対し、当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)は、119億円と増加している。負債の部。未払法人税等(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、195億円だったのに対し、当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)は、35億円と減少している。次に支払手形及び買掛金(流動負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、143億円だったのに対し、当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)は、128億円と減少している。次に退職給付に係る負債(固定負債)で前連結会計年度(2023年3月31日)が、49億円だったのに対し、当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)は、50億円と増加している。株式会社三共は創業から長いので退職者もこれから増えていく可能性はある。
純資産の部。利益剰余金で前連結会計年度(2023年3月31日)が、2936億円だったのに対し、当第1四半期連結会計期間(2023年6月30日)は、3025億円と増加しているので、当第1四半期連結会計期間は稼いでいる。当第1四半期連結会計期間の負債合計(410億円)と純資産合計(3195億円)のバランスを見てみると、純資産合計が上回っているので、経営的には調子は良いようだ。
・四半期連結損益計算書
次に損益計算書(PL)。まずは売上高は、前第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)が、277億円だったのに対し、当第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)は、507億円と増加している。次に売上原価は、前第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)が、122億円だったのに対し、当第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)は、224億円と増加している。次に営業利益は、前第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)が、94億円だったのに対し、当第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)は、191億円と増加しているので、当第1四半期連結累計期間の営業の調子は良いようだ。次に投資有価証券売却益(特別利益)は、前第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)が、13億円だったのに対し、当第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)は、4億円と減少している。第1四半期連結累計期間は投資有価証券をあまり売却しなかったということか。次に四半期純利益は、前第1四半期連結累計期間 (自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)が、79億円だったのに対し、当第1四半期連結累計期間 (自 2023年4月1日 至 2023年6月30日)は、140億円と増加する結果となった。最後を報告書を見ると、コミックやアニメなどのタイアップ機が好調のようだ。コミックやアニメなどはIP(知的財産)で権利を持っているところに使用料を支払わないといけないと推測されるが、増収という結果となれば、今度もタイアップ機が増えていく可能性はじゅうぶんにある。が、稼働回復が顕著に見られるパチスロ市場とは対照的にパチンコ市場は稼働が伸び悩んでいるようだ。