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積立休暇制度は作ったほうがいいよ

ラジオは毎週金曜日なので、今日は書き込みネタで
労務 Advent Calendar 2022 の 3日目 でございます。

積立休暇制度は、絶対作ったほうがいいと思う


年次有給休暇の期限は2年間。
一般的には、初年度に使いきれなかった有休は1年繰り越されて、次の1年間で使いきれなかったら消滅します。

この消滅してしまう有給休暇を積み立てておける制度が、積立休暇制度
各社いろんな呼び方があって、私の会社では「ストック休暇」と呼びます。

詳しく解説されているサイトもあるので、そこはおまかせするとして
ここでは、労務管理担当者向けに、私のオススメポイントをご紹介します


"オレ流"積立休暇制度のメリット


積立休暇制度を導入するメリット・デメリットの代表例は、以下のとおり
  メリット:いざというときに休めるので、人材確保に有利に働く
 デメリット:積立休暇を使われるぶん、人件費の負担が大きくなる

もちろんその通りなんですけど、私はこのように考えるようにしています

積立休暇制度を導入する最大のメリットは
【有給休暇を実質無期限にできて】【会社で自由にルールが作れる】ところ

法律で定められた年次有給休暇のルールって、無理ゲーすぎません?
入社6か月で10日、勤続6年半以上で毎年20日付与されるわけですけど2年で使い切れるわけないですよね?
毎年80%消化しても期限切れが発生するんですよ(計算してみてね)

そもそも従業員の権利だと言うなら、いつどう使おうが、大きなお世話で、なんで「5日取りなさい」って国に言われないとアカンの?

まぁ、そういうわけで、使い切れないことが目に見えていますし、必要な時に使える制度でありたいと思うので、【有給休暇を実質無期限にする】べく積立休暇制度をオススメするわけです。

とはいえですね、民間会社も慈善事業ではございませんので、ある程度コントロールできる状態にしておかないといけません。
ここで効いてくるのが【積立休暇制度は任意の制度である】ということ。
取得ルールは会社が自由に決めていいわけですから、積み立てるだけタダ使える範囲は、会社の身の丈に合わせて設計すればいいんです。

休暇制度を拡充したいときは、積立休暇ルールを拡げちゃう


積立休暇の利用を認める代表例は【私傷病による長期療養】かと思います。
そのほか【家族の介護】【ボランティア活動】などでしょうか。

とにもかくにも、積立休暇制度は法律に縛られない任意の制度ですから、ここから先は、会社で自由に決めていけばいいんです。

新型コロナに罹患した時の療養も、同居家族のワクチン接種のサポートも、必要に応じて、積立休暇の取得ルールに含めてあげればいいわけです。
最近では、不妊治療や がん・難病の治療などへのサポートも重要視されてきていますが、これらも積立休暇の取得を認めてあげるといいですよね。

「積立休暇がない人は?」問題は必ず起きます。それはそれ、別途検討。
ここで言いたいのは、使い切れなかった有給休暇を積み立てておけば、新しい特別休暇を作らなくても対応できる自由度があるよという点ですね。

積立休暇の取得は、有休取得率に含めて良くない?


有給休暇の取得率は、以下の計算式で算出されます

取得率(%) = (繰越分含む)1年間の有休取得日数 ÷ 今年度の付与日数 × 100

ということはですよ、2年で消滅させずに繰り越した積立休暇だって、元は有給休暇なんですから、繰越分の有休取得日数に含めていいですよね?
なので、非公式ではありますが、私は積立休暇取得分も取得率に含めて経年分析するようにしています。

そうじゃないと、私傷病で入院した時に積立休暇を使った社員がいたために有休取得率が下がってしまう、なんてことも起こるからです。
それっておかしいですもの。

さぁ、これでおわかりいただけたでしょうか。

積立休暇制度を導入する最大のメリットは
【有給休暇を実質無期限にできて】【会社で自由にルールが作れる】ところ
 
そして、積立休暇制度の取得ルールを、会社で自由に設計することによって
非公式ながら【その会社なりの有休取得率向上を図りやすくなる】

というのが、"オレ流"積立休暇制度オススメポイントでございます。
ご参考まで。


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