20世紀と21世紀の違い 中間組織に着目する

(1) はじめに

政党
圧力団体
本屋

これらの中間組織は、20世紀の残存物。
確かに、情報を保有していない20世紀には、これらの中間団体が大きな役割を果たした。

だが、中間組織に所属する人も所詮人間。
段々と中間組織自体が利権化していく。

21世紀は、これらの中間組織を排除し、生産者と消費者が直接繋がれる社会になる。さらに、一人一人が情報を保有する。

既にその芽は出ている。
メルカリやAmazonはその例。

Amazonの、電子辞書に関しては、
本屋や印刷業者など、中間業者への手数料がかからない為、安く売ることができる。

これを見て何か気づくだろうか。

実は、
古代の、直接の物々交換
最新テクノロジーを駆使して、これに原点回帰しつつある。

古代との相違点は、一人ひとりが多様な情報を持っているか否か。

そして、
物々交換にあたり、必要なのが金。
金の本来の機能は、相手の信用度を測ること。
つまり、信用を測ることさえできれば、仮想通貨だろうが日本政府発行の通貨だろうが、何でも良くなる。
実際に、仮想通貨やブロックチェーン技術など、多様な貨幣が出現し始めている。

直接主義が取られるのは経済だけではない。
政治も同じ。

(2)政治

政治でもその兆候は出ている。

例えば、橋下徹が作った大阪維新。
維新前の大阪は、大阪府と大阪市という、二つの巨大行政機構が存在し、その内部には、労働組合や産業団体など、中間組織が利権を獲得し、彼らから支持を受けた知事や市長が選挙で選ばれていた。

当然、中間組織に金が回ってばかりなので、住民サービスやインフラ整備に手が回らない。小中学校にエアコンや給食すら整備できない有様であった。

大阪維新は、これら中間団体の影響力を徹底的に排除していった。まず、選挙で票をもらわない。天下り罰則強化や民営化を断行し、民間投資を拡大させることで、中間組織が跋扈しない状況を作る。大阪府と大阪市の統合もその例。

中間組織に流れていた金を府民に還元し、教育無償化やインフラ整備に回していった。

これも、直接主義を政治で体現した例となる。

(3)成田雄介

政治に関しては、極論を言うと、
将来、政党や政治家は要らなくなるのかもしれない。

成田雄介が、22世紀の民主主義という本で、政治家はいずれaiに代わられ、猫やゴキブリになると主張している。

そもそも、今の政治を人間の能力で裁くことは難しい。また、政党など、中間組織が人々の民意を反映しているか否か、これも疑問はつく。

今すぐは難しいとは思うが、政策決定や選挙に部分的にaiを取り入れ、政党の力を弱める動きは出始めるかもしれない。

成田雄介の世界が実現すれば
議会制民主主義という、近代国家を支えてきた政治制度の大きな転換点となる。
これも、議会・議員という、中間組織を排除した新たな政治形態となる。

(4)まとめ

一人一人が情報を保有しない、20世紀は政党や本屋など、中間組織が人々と生産者をつなぐ役割を果たした時代であった。
一人一人が情報を保有する21世紀では、中間組織は却って邪魔になり、生産者と直接繋ぐことを志向する時代となる。

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