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MONO

MONOはご存知だろうか。
あのMONOである。
青と白と黒のケース、
消しゴムのMONOである。

もっぱら最近は文字を書くよりも、キーボードで打つ事が多くなったが、最近ノートを使う機会があって、久々に筆記用具を引き出しから出した。

すると使いかけのMONOがあった。
それを見た瞬間、
小学生、中学生、高校生の時に、
どの消しゴムが1番よく消えるか色々試していたことを思い出した。
Ainstainやら塾で貰える消しゴムやら。色々試していた。
いつ1番が決まったかはもう覚えていない。



しかし今引き出しに残っていたのはMONO。
そう結局MONOが1番だったのだ。
高校生の大学受験時に、自分はMONOを選んでいた。

高校で時が止まっていたそのMONOを、
軽く握り、ノートの文字をグイっと擦った。
黒鉛が延びてノートが汚れる事も無く、一発で文字のほとんどが消えた。
もう一度擦るともう真っ白。
やはりMONOだ。


MONOは定番の消しゴムで、
MONOを置いてない書店など無いのではないかと思う。

そんなMONOは、
消えやすさを謳うわけでもなく、
特別おしゃれで格好良いデザインのケースというわけでもなく。
ただMONOとして存在し続けている。

引き出しから出てきたそんなMONOを見て思った。

「ああ、俺はこんな人になりたい。」

自らアピールするわけでもなく、
飾ることもなく、
それでいて芯があって、真であって、いつの時代もブレずとも新である。
MONOのような人になりたい。

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