花に都会の雨が降る
足早にさせるのは、
雨か、東京か、それとも下に下にと手を引くビジネスバッグか。新入社員研修の帰り、ホテルに向かう足を速めていく。
空っぽな僕は、
スーツを着て、ネクタイを締め、身なりを頼りに東京の人混みをすり抜ける。雨の中吹く風を、布一枚の傘で凌ぐ。
そんなとき、僕の目を惹き、動きを止めたのは、幹に咲く花。枝葉を傘に、僕と同じ。
それでもそこにいる花は、僕とはどこか違っている。出で立ちは似ているのに。
風が吹き、煽られ帰路に戻される。20220404
足早にさせるのは、
雨か、東京か、それとも下に下にと手を引くビジネスバッグか。新入社員研修の帰り、ホテルに向かう足を速めていく。
空っぽな僕は、
スーツを着て、ネクタイを締め、身なりを頼りに東京の人混みをすり抜ける。雨の中吹く風を、布一枚の傘で凌ぐ。
そんなとき、僕の目を惹き、動きを止めたのは、幹に咲く花。枝葉を傘に、僕と同じ。
それでもそこにいる花は、僕とはどこか違っている。出で立ちは似ているのに。
風が吹き、煽られ帰路に戻される。20220404