【公務員to公務員】社会人経験者試験受験記②
転職活動開始
転職活動を始めて最初に感じたのが「公務員のつぶしの利かなさ」だ。
いくつかの転職サイトに登録をしてみた。
しかし、企業からのマッチング率を上げるためにこれまで培った自らの能力を書き出し始めた途端、指が止まってしまう。
公務員として勤務したこの10年間を振り返り「私の強みはここだ」と考えて、民間企業勤めの妻にどうだろうと尋ねてみても「それは民間企業では通用しないんじゃないかな」と有難い無慈悲な分析をいただいた。
確かに、30代前半の求職者に企業が求めるのは即戦力性であり、そこには行政文書に関する知識や、規則体系の理解や、合議のイロハは無用の長物である。
もっと直接的に、その業界における知識や経験、資格を持っているということが、民間企業採用までの第1のハードルとして自らの前に立ちはだかっていることに気付いたとき、私は愕然とした。
すっかり意気消沈してしまった私は、エージェントからのメールに一度も返事することなく、機械的にごみ箱に捨て続ける日々が続いた。
転職に関して少しでも情報を得ようと、ある地方自治体で働く大学時代の友人に連絡を取った。
これが私の転職活動にとって大きな転機となる。
公務員採用試験においては、受験年齢に制限があり、既に30を超えた私には縁がないと考えていた。
友人は「各自治体は社会人経験者採用試験枠を拡大している。オレ達のやっている仕事は、自治体に必要不可欠だけど、中々プロパーが育たない分野だから、教養試験さえパスすれば十分可能性はあるよ。公務員to公務員もアリじゃない?」と話してくれた。
公務員に社会人経験者採用試験なんてものがあるという事を恥ずかしながら初めて知った。
少し調べてみると地元の市役所を含め、全国の自治体で社会人経験者採用を行なっていることがわかった。
心は決まった。
しかし、既に1月中旬。
私は早速、公務員試験の問題集を注文したのだった。
つづく
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