デザインとかけて、クリスマスプレゼントと解く。 その心は―
どちらも「相手のことを考える気持ちが大事」でしょう。
…拍子抜けだったでしょうか。Ubie Discovery でプロダクトデザイナーをしている吉井 (@hrtk441) です。
厳密に言えば別にクリスマスじゃなくても… という説もありますが、タイミング的に間近というのもあって無理やりこじつけてみました。
デザインの比喩としても使い倒されていそうで意味が透けて見える気もしますが、その中身について紐解いていこうと思います。
どういうことか?
クリスマスプレゼントを贈りたい!
と思ったときに何から始めるでしょうか。
いきなり衝動的に買い物に出かける人はおらず、まずはその贈る相手のことを知ろうとする・考えようとするはずです。
その人がどんな生活を送っていて、どんなものを好むか、困っていることはないか、ズバリ欲しいものはないか、既に持っているものとかぶっていないか…
もっと言えば、それを贈ることでどういう生活を楽しんでほしいか、驚きや発見を与えられないかetc…
とにかく真剣であればあるほど、めちゃくちゃ考えます。
なぜなら相手が子供でもパートナーでも誰であろうと、贈る相手のことを知らなくては良い贈り物はできないからです。
逆に言えば相手のことをしっかり理解していれば、クリスマスプレゼントの価値は値段以上に高まることと思います。
贈り手のことも、きっとより好きになってもらえるでしょう。
デザインも同じである
あらゆるデザインには「その先に届けたい対象」が必ず存在します。
僕はプロダクトデザイナーとしていわゆるWebサービス開発に関わっていますが、その「届けたい対象」は、一般的な言い方をすればユーザーです。
自分を例に取ると、「良い仕事をしたい」と思うとき (そう思うことしかないですが) に考えることは沢山あります。
そんな感じで、とにかくユーザーのことを考えます。
当たり前ですが、これらをちゃんと考慮できていなければ良いデザインは成し得ないからです。
もちろんユーザーが実際に触れるインターフェースも精魂込めて作り上げますが、それはあくまでデザインという一連の行為における、最終的な要素のひとつです。
つまりデザインとは、届ける対象を中心に考えながら形作っていくことであり、成果物に至るまでの背景にある思考と試行を重ねてこそ、デザインの最終的な価値が決まるのです。
僕の好きな言葉に、
というものがあります。
やや回りくどくなりましたが、兎にも角にもデザインは「相手のことを考える気持ちが一番大事」。クリスマスプレゼントと同じですね。
そんなことは分かりきっている?
本当にそうでしょうか
会話のなかで「デザインがあーでこーで…」と話すとき、どうしても無意識的にビジュアル要素だけをイメージして扱っていないでしょうか。
もちろんデザインが持つ特性には「美と調和」も含まれるし、全体のバランスや美しさを保つこともとても重要な要素を占めています。
しかしそれ以上に、デザインとは対象のことを知り、考え、形にしていく一連のプロセスであることを意識しなくてはいけません。
美しくビジュアライズするところには多少の技能や訓練が必要でも、その手前にある考えを巡らせることは誰もが参加可能な営みであるからです。
「デザインって重要だよね」という会話がなされるとき、あなたがイメージするのは点としてのビジュアルの話か、それとも線としてのプロセスの話か、どちらでしょうか。
参考: デザインラダーモデル
これはデザインラダーモデルという、企業におけるデザインの活用度合いを示したモデル (というらしい) です。ここでもスタイルとしてのデザイン、要はビジュアルがあり、その次にプロセスや戦略としてのデザインが定義されています。
自分たちがどのあたりに位置しているか、どういう期待値か、おそらく職種や立場によっても認識が分かれるところかなと思います。自社内で分析されてみても面白いかもしれません。
おわり
デザインは視覚的に知覚しやすいが故に、会話のなかで与える認識や期待にギャップが生まれがちです。
しかしデザインは成果物単体ではなくプロセス全体のことであると理解すれば、自ずとデザイナーだけが持つべきものではないと理解され、きっと広い範囲でその効用が効いてくることと思います。
最後にもう一つ、僕が好きな言葉を紹介して終わります。
最初からこれを紹介すればよかったのではないかというぐらい、めちゃくちゃ端的な表現です。
実際には複雑な利害関係があったりで言うほど一筋縄ではいかないことばかりですが、より良いプロダクトが作れるよう引き続きがんばっていきたいと思います。
途中から全然クリスマス関係なくなってしまいました。それではまた。
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