減反政策と河川氾濫の関係性は?
今年は今のところ、台風被害が比較的少ない年となっていて、本州への上陸もありません。それでも、台風がなくとも長雨や豪雨災害は起きています。
そもそも、日本の国土は大半が山であり、そこに大量の雨と雪が降るので、急流かつ水量が多い河川が大陸に比べると多いという地形となっています。
縄文時代の終わり頃から日本では稲作がなされてきましたが、豊富な水資源が水田に必要な水量を供給することで、広くない国土に多くの人口を養える原因となりました。
水田を作るためには川から水を引っ張ってくる必要がありますが、これは逆にも作用していて、普段から水田や溜め池に水を誘導することによって、一つの川の流域面積が事実上広がっていることになります。当然ながら水田も溜め池も平らになっていますので、流れは緩やかとなり、大雨によって河川が氾濫することも、水田が出来る前と後とでは全く数が異なっていたはずです。
もちろん、全く氾濫が起きないわけではないでしょうけれど、水田が無く降った雨が全部そのまま急な流れに乗って海に向かうよりはマシでしょう。
一方、昨今の環境変化による豪雨災害の急増は、政府の水害対策にも影響を及ぼしました。
国が水害対策を転換「流域治水」とは… 台風19号被害から1年
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201012/k10012659471000.html
そこで一つ気になったのは、国の減反政策や農家の減少による水田の耕地面積が減ったことと、河川の氾濫の関係性は無いのか、ということです。
言い換えると、天然のダム・貯水池的な機能を果たしていた水田が減ったために、河川の水位が高くなり氾濫が増えたのではないでしょうか?
単なる面積だけではなく、稲の成長に伴い水分も利用しますから、同面積の溜め池よりも消費水量は多いはずです。
また、都心部だけではなく地方の多くの道や家屋の周辺がアスファルトで舗装されるようになりました。未舗装の土地に比べると、舗装された部分では地面が雨をあまり吸収しないため、そのまま川に戻っていくか、その場で浸水被害の原因となります。
単なる素人考えですから、実際にはそれほど影響が無いのかも知れません。それこそ昔に比べて、上下水道が整備されたことで、それらの施設や道路に埋め込まれている水道管、家庭やビルにある水道管やタンクにも水は貯えられるようになりました。
まあ、そもそも降水量、特に短時間での急激な豪雨の増加が一番の原因かも知れません。水田が減ったことが原因だと分かっても、そのためだけに休耕田を元に戻す訳にもいきませんし、新しい環境には新しい政策・対策を立てて防いでいくしかないでしょう。