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パラレル思考からシリアル思考へ

プロデビューから将棋界を席巻し続けている藤井聡太二冠ですが、以前に読んだ記事か何かで、思考時に脳裏に盤面を浮かべないというのを知って理解が出来なかったのですが、棋譜一手ずつ盤面上で駒を動かすのではなく、棋譜をそのまま理解しているのでしょうか。

凡人の理解の範疇をはるかに超えているのですが、盤面を表示するために必要な脳内リソースがもったいないのか、ひたすら手順処理に思考を全振りしているのか。

それと関連付けるようにふと思ったことが、昔のパソコンではデータ転送をパラレルに行うポートが主流でしたが、今ではほぼ存在していません。

プリンタポート、パラレルポート、SCSIやATA、E-IDEなどの規格では、複数の信号線を同時に使って、一度の転送処理で複数のデータを送受信する仕組みでした。

一つの信号線でのデータ転送速度が遅かった時代では、一つの信号線でやり取りするよりも、複数の信号線でまとめてドーンと送信して処理した方が速かったわけです。

しかし、データ転送速度が速くなるにつれて、このパラレル方式よりもシリアル的に、一つの信号を高速に送受信した方が速くなりました。

パラレル方式ではデータをひとまとめにするのに時間がかかり、またひとまとめに送られてきたデータを処理するには結局一つずつ拾っていくことになりますから、データ転送速度が速くなるとまとめたりばらけたりするところがボトルネックになりました。

結局、現在のパソコンではSerialATAとUSBという二種類のシリアル方式のデータ転送が取って代わることになりました。

将棋の盤面を頭に思い描くのも、いわばパラレル的というか、同時に表示する駒が多数出てきて、もしかしたら藤井二冠レベルの思考速度だと、むしろ盤面がボトルネックになるのかも知れません。棋譜をシリアル的にひたすら高速に処理している方が結果的には速いのかも知れません。

凡人が適当に言っていることですので、全くの見当外れかも知れませんが、処理速度については相当速いことは間違いないと思います。

サッカーでも俯瞰でピッチを見るような思考が出来る選手が、素晴らしいパスを出したりします。現代でも過去でも、それはサッカーの名選手としての必須条件だと思いますが、もしかしたら将来、俯瞰で捉えることすら時間的な無駄と見なして、自分や他人のプレーを全てシリアル的に処理して最終的なプレーを実行するような選手が出てくるかも……。

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