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バブル崩壊後の清貧、リーマンショック後のミニマリスト、そしてコロナ禍後のニューノーマル?

今の若い人は知らないと思いますが、30年ほど前のバブル崩壊後に
「清貧の思想」
というのが流行りました。貧しくとも贅沢をせず、清らかに過ごそうという考え方です。もとは中野孝次氏の書籍から起こったブームでしたが、読んだ人も読んでいない人も含めて、日本中で贅沢に対するカウンターとして広がったように思えます。

まさにその頃、大蔵省幹部を大手銀行内にいるMOF担という接待のための行員が酒池肉林のような接待で懐柔して自行や銀行業界の有利な政策を通してもらう、情報をもらうというみっともない汚職事件なども明らかになってきた時代でした。

そういう「汚れた」行状からほど遠い、物質的な豊かさや金銭への執着から離れた生き方に憧れた人が多かったわけです。

ちなみにその頃流行った食べ物が「モツ鍋」でした。バブルの頃の高級レストラン・料亭などではなく、お手頃な値段で気軽に食べられるということでモツ鍋もブームになっていました。

その少し前、まだバブル末期の頃には「一杯のかけそば」も大きな話題になりました。感動ポルノという面はあったにせよ、ひたすら金と物を強欲に消費してきた経済に疲れた人も多かったのでしょう。

日本のバブル景気崩壊後に生まれた、慎ましい考え方のブームというのは、多分珍しくはないでしょう。

2000年代前半から始まったアメリカの不動産バブルがリーマンショックで潰れた後に欧米でのミニマリストブーム、日本での断捨離ブームが起こりました。

それらが直接的にそれまえの贅沢・物欲重視の生活を批判するために生まれたというわけでもないかも知れませんが、受け入れる人々側にとっては似たようなものでしょう。もちろん、不況や収入源のために節約したいという考えが意識的・無意識的に頭にあった上でのミニマリスト・断捨離という側面もあるはずです。

では、今まさに世界中を覆っているコロナ禍にも関わらず、日本やアメリカの株価はひたすら上がり続けています。ニューノーマルという概念で経済状況や生活様式の変化を説明しようとする試みもありますが、変わるかも知れないし、変わらないかも知れません。

今はどこの中央銀行もお金のバルブを緩めてじゃんじゃん金融市場に流していますが、ある程度の出したらどこかで止まるでしょう。バブル崩壊は人々の熱狂が冷めたときに起きますが、物理的には流動性の枯渇によって発生します。具体的には、急に市場に流れ込むお金が減るか、何かの規制によって売り買いに制限がかかるかすれば、一気にバブル崩壊となります。

その時には何が流行るでしょうね。

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