政府批判の受け皿が野党やメディア・評論家ではなくて陰謀論になっている

いつの時代でも政府、政治家、役人というのは批判される対象です。批判されない時代・社会というのは、強権によって政府批判を弾圧して封じ込めているような国だけでしょうし、そんな国でも批判そのものは無くせません。というか当然ですがそんな国こそ批判は強く大きくなります。

そんな批判の受け皿として、これまたいつの時代でも反政府勢力というのは存在しました。中央とは異なる地域の勢力のトップだったり、同じ政治権力内部での抗争だったり、あるいは与党に対する野党だったりします。

政治のトップや与党が支持率100%なんてことはあり得ず、もし100%それに近い数字での支持率や得票率になるとしたら、それは不正の証しであり、独裁体制であることを示しています。分かりやすい例はサダムフセイン時代のイラクです。

正常な国家であれば、与党や大統領・首相がどんなに優れていても批判や反対はあるものです。そして悲しいことに大抵の国では批判や反対が正当性を持つくらい、与党や政治家は腐敗か失敗をしています。

だからこそ、野党やメディアや評論家などが政治への批判の受け皿になってきたのですが、政権交代しても改善されなかったことで野党は支持を失い、ネットの普及に対応出来ず旧態依然とするマスメディアは無視され、ポジショントークとダブルスタンダードがバレてきた評論家は嘲笑の対象になりました。

それでは批判が無くなったかというとそんなわけもなく、荒唐無稽かつ空理暴論の陰謀論がその受け皿として支持者を増やしています。トランプ支持者の何割かはそんな陰謀論の支持者であり、また日本でも新型コロナを巡ってはマスク・ワクチン含めて山ほどの陰謀論がSNSを支配してきました。

多分、不幸な状態なのだと思いますが、だからと言ってこれをすぐにどうこうできるかというとそれも無理でしょう。陰謀論は人を惹きつける邪悪な魅力があり、だからこそ生き残り信者を増やします。今の時代に流行る理由はまさにSNS全盛の時代だからこそですが、信じた人をどうやって足抜けさせることが出来るか。そこに力を入れるべき何でしょうね。まるで暴力団やカルトみたいな話ですが。

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