週単位と旬単位、世紀単位と世代単位

欧米を舞台にしたフィクションでもノンフィクションでも、継続的な仕事の報酬として週何ドル(あるいはポンドとかユーロとか)といった表現によく出くわします。1週間が収入の基準になっているわけで、キリスト教由来の1週間が古くから生活リズムの単位になっていたからでしょうけれど、日本ではまず見かけません。時給・日給の次は週給ではなく月給がほとんどでしょう。

以前、テスラのイーロン・マスクがスピーチで、週100時間を費やせば成功する、と言ったそうですが、これも週単位で動くのが基準だからでしょうか。

1ヶ月あるいは30日を単位と考えるのが長い場合もありますが、そういう場合は日本では10日を基準にします。上旬・中旬・下旬という言葉は今でも普通に使われています。

干支(十干十二支)で甲子(きのえね・かっし)から始まり、癸亥(みずのとい・きがい)で終わる60日で2ヶ月が回ります。1ヶ月だと30日になりますが、十干の甲乙丙丁戊己庚辛壬癸で1つの旬が巡るので10日でのカウントは昔の人にとって難しくなかったのかも知れません。

今の時代に例えば旬(10日)単位で給料を支払うのはさすがに無理でしょうけれど、それだって週休2日制という制度のためでもあります。

定休日の概念が無く、一週間という曜日の制度もなかった時代と比べるのも無理がありますが、今の時代は7日間で2日休みが入るため、10日間での勤務日数が一定しません。あえて決めるなら、旬休3日制でしょうか。10日間で3日休みというルールなら、週休2日の法的ルールを逸脱しません。誰もやらないでしょうけれど。

個人の休みとは関係ないですが、日本の商慣習には五十日(ごとおび・ごとび)と言って、毎月の5日・10日・15日・20日・25日・30日(月末)を企業間決済や従業員への給与払いのタイミングに合わせてきました。古い業界なら今でも残っているでしょう。古い業界でなくても、クレジットカードでも15日締め翌月10日引き落としなどもまだまだあるはずです。

もっと長い単位では、これもキリスト教由来で100年を1世紀として数えます。日本では古来より元号はありましたが、当然ながら1つの元号での長さは一定ではありません。2,3年で変わることもあれば、昭和は64年まで続きました。

以前、世代というのは30年単位が前提というnoteを書きました。

https://note.com/hrsgmb/n/n85850c4e20f9

日本では30年を一つくらいの長さで考えた方が良いかもしれませんね。石造り・レンガ造りの家が普通で100年持つのも珍しくない欧米と、木造で頻繁に屋根の葺き替えや建て直しもある日本との違いもあるでしょうか。

そう言えば、一世一元の制が決められた明治以降は、大まかに世代でカウントできます。

明治時代は45年で1.5世代
大正時代は15年で0.5世代
昭和時代は64年で約2世代
平成時代は31年で約1世代
今は、明治維新から約5世代を経たことになります。日本人的には、30年を大きなくくりで考えた方がやはり分かりやすいと思います。

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