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選挙制度が変わらないことは良いことか

参議院選挙が公示され、7月10日の投開票が日一日と迫ってきました。

選挙結果自体はもちろんどうなるか今の時点では分かりませんが、選挙方法自体はこれまでと変わりません。紙に政党名もしくは候補者名を手書きします。

このアナログ的な手法自体が批判されることはありますが、先般のアメリカ大統領選挙のように日本よりもはるかに古く保守的な方法がある国だってあるのですから、一概に日本がダメだということにはなりません。

選挙制度自体はその国ごとの固有の歴史や選挙の変遷によるものですので、どの方法が良い、正しい、あるいはこのやり方は悪い、というのも難しいです。とはいえ、選挙後の得票数のカウントも人間がやっていますし、もうそろそろ効率よくやれるものはないかと思ってしまいます。

手書きである以上はスキャンしてデジタル化しても、読み間違いの可能性は否めません。もちろん人間がやったとしても微妙なラインというモノは存在するのですが、同姓同名とか似た政党名とか、あるいは書き間違いといった投票を防ぐ、減らす方策もそろそろ出てきても良いでしょう。

手っ取り早いのは、あらかじめ投票用紙に氏名や政党名を印刷しておいて、丸なりチェックなりを付けて投票とする方法です。実際にやっている国もあります。

その場合、比例代表の場合の候補者名が膨大になるという問題がありますので、小選挙区だけに適用しても良いでしょう。

衆議院選挙と同日に行われる最高裁判所裁判官国民審査では、投票用紙にあらかじめ、審査を受ける裁判官の氏名が印刷されていて、その上に×印を付ける方法を採用しています。それと同じことなのですが、しない・出来ない理由というのは具体的にあるのでしょうか?

選挙区ごとに用紙が異なるため印刷費用がかかる、というデメリットはあるでしょうけれど、開票において数える作業での機械での正確性が、氏名手書き方式よりも圧倒的に高まり、結果的には開票作業での人件費節約にもなるはずです。

あと、小選挙区では1人しか当選しませんので、死票が相当数存在します。死票を減らそうとすれば中選挙区制復活しかないのですが、復活させないのであれば、1議席を1議席とせずに、選挙区での得票率を選挙区内での支持率と見なして、得票率50%なら0.5議席、30%の得票率で当選したなら0.3議席と細かく議席の価値を刻んでみてはどうでしょうか?

今の小選挙区制では候補者が乱立して票が割れると、2割3割の獲得票数でも当選して1議席となってしまいます。選挙区内で大きな支持を得ている1議席と、少ない支持率の1議席が同じ扱いになるべきなのでしょうか?

例えば、国会での議決で0.6議席として扱われる議員と、0.3議席として扱われる議員とであれば、前者の価値が2倍となります。こうすれば小選挙区制の死票が、当選議員への不支持票として生きてきます。

この制度では、候補者が乱立しがちな都会の選挙区とは異なり、地方の選挙区の方が当選議員の支持率が高くなりそうな気がします。もしかしたら一票の格差問題の是正にも寄与するかも知れませんよ?

上述の投票方法変更も小選挙区改革も本当にすぐにあり得るとは思ってはいませんが、選挙のたびに選挙制度の有るべき姿を妄想するのも良いんじゃないですかね。

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