消えたインバウンド需要のためにガラガラになった建物の管理対策
先日、久し振りに大阪城に行ってみました。
コロナ禍以前には非常に多かった外国人観光客は見かけず、ジョギングする人、散歩する人、デートっぽい2人くらいでした。
2000年代くらいまではインバウンド需要もなく、全国から観光バスで来た主に年配の方が多い印象でしたが、どちらにせよ大阪を代表する観光地でしたので、観光客向けの施設・飲食店は大変でしょうね。もちろん、大阪城に限った話ではありませんが。
先も書いたように、平日の大阪城にいる人間なんて今は周辺住民がほぼ全てでしょうから、わざわざ大阪城の中でタコ焼きとか食べません。もちろん今ではタコ焼きだけではなく、大阪城公園の中には多くの店舗があります。
特に大阪維新の会が大きな影響力を持ったあたりから、大阪城公園を観光、インバウンドビジネスの戦略拠点として利用するような動きが強まりました。
大阪城公園駅前側や、森ノ宮駅近くの噴水周りには屋台やプレハブなどではない、しっかりした建物の店舗が並んでいます。そういったところも含めて、今は売上がどうこうとかいうレベルではなく厳しいことでしょう。
京都だって大変です。観光客のホテルが足りないということで、中心部にはこの数年間大量にホテルの建設ラッシュが起きていましたが、コロナ禍で利用者が激減しました。建設したばかりのホテルはそもそも稼働できず、元々建設が決まっていたホテルも(おそらくやむなく)工事を続けています。
大阪城の飲食店にしろ京都のホテルにしろ、お客が来る目処が立たなければ閉めているしかありません。しかし、全く使わない建物って傷んだりしないんでしょうか。
人が住まない家は傷むといいます。特に日本家屋では木造部分が多いので、人の出入りがないと空気の入れ替わりがなく、温度・湿度が高すぎる場所、低すぎる場所などが出来て、家の素材が傷みます。あと、人がいないことで虫や小動物が好き勝手に動き回ったりすることも原因のようです。
個人レベルの家屋ですと、住んでいないのにわざわざ管理する人を手配するのも大変です。お金持ちが持っている別荘であれば管理人を雇えますが、今の日本で問題になっている空き家問題では管理人なんてかけ離れた存在です。
ホテルや店舗でも使わないと傷むのでしょうか? 鉄筋コンクリートやレンガや石で出来ている部分は問題無いと思いますが、内装や家具・設備には木製部分があるでしょうから、その辺は湿度のケアが必要な気がします。
それなりに大きな企業の持ち物なら、清掃や換気のためだけの人員も回せるでしょうけれど、それはそれで人件費の負担がダイレクトにマイナスになります。なんせ売上も利益もない建物のための人件費ですから。
屋内の隅も掃除して、水道もたまに水を出して、電気系統のチェックもして、窓を開けて空気を入れ換えて、という作業は結構手間がかかります。しかも自動化は難しいでしょう。窓も掃除も水道も自動化は出来なくもないでしょうけれど、上手く動いているかどうかのチェックにもさらに自動化か人手かが必要となると仕組みが複雑になってしまいます。
そうかといって企業側もそのために新たに雇用を増やす気にもなれないでしょう。正常化したら不要になりますし、そもそもいつまでこんな状態が続くのか誰にも分かりません。
いっそのこと、コロナ禍で失業した人を政府や自治体で短期的に雇用して、こういった建物管理のような一時的にしか必要のない業務や、飲食店が一時的に弁当宅配を始めるとか、そういった仕事に対して何割かの賃金を税金で肩代わりするような政策もあってもいい気がします。いわば公的な派遣業ですが、民業圧迫と言われますかね。時限立法で雇用対策を兼ねているなら国民の理解も得られると思いますが。
ほら、ちょうど晴海に大量の空き家もあることですし。
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