「大阪」は「ごった煮」でいい
大阪城公園に行ってきました。
桜はもう結構咲いていて、今度の土日がお花見のピークでしょう。
ここ数年、大阪や京都は外国人旅行客が非常に多くなりました。大阪城も中国・韓国・東南アジアからの旅行客らしき人達が平日休日問わず、たくさん来ています。いわゆる白人系の人達の割合はかなり少なくなりました。
京都は最近、観光公害とも言われる、外国人旅行客と地元住民との摩擦・軋轢が話題になっています。京都は民家と歴史的建造物が隣り合って存在していますから、どうしても起こる問題でしょう。これまでは同じ日本人同士でしたからそれほどの程度の問題では無かったのでしょうけど、急増した外国人観光客に対する住民側の準備も出来ていないし、観光客側も京都や日本のことをあまり知らないまま来て自由に振る舞っていることの両方が問題なのだと思います。
一方で大阪ではそこまで観光客と住民の問題は起きていないように思います。京都に比べると観光客向けの歴史的建造物が少なく、また住宅街と観光向け施設が隣接しているわけではないからかも知れません。
京都に限らず、日本人が日本の文化を大切に出来る、落ち着いた静謐な場所はあってしかるべきだと思います。別に外国人差別をするつもりはありませんが、それは日本人のアイデンティティにもかかわることでもあります。どの国やどの民族にも、その文化的背景を知らない観光客に立ち入って欲しくない場所や空間はあると思います。そういう場所はずっとそのままであってほしいです。
一方で、色んな人が集う、日本を体験して楽しんでもらえるような場所も当然ながらあるべきで、一つはまず首都の東京でしょう。政治・経済・商業・文化の中心的な存在として、江戸の頃から多くの人口を抱えてきた巨大都市です。
江戸時代の江戸はもちろん外国人はいませんが、全国各地の大名の屋敷があるので常駐及び参勤交代の武士が大量に居住していました。人口の半分は武士だったそうです。そういう大量の移住者と転勤者に対して、先祖の代から江戸生まれの江戸育ちである江戸っ子がそのアイデンティティは、まさにその江戸生まれであることでした。
一方の大阪は天下の台所と言われ、全国各地からの農産物と海産物が集まり(もちろん江戸にも集まっていましたが)、商業の中心地でした。そのためかお金にうるさい住民のように思われますが、今の大阪も東京ほどではないにせよ、移住者とその子・孫が多く居住しています。吉本などの大阪芸人にも大阪府外からの移住者はたくさんいますので、大阪という街が移住者を受け入れて文化を発展させてきたとも言えます。
さて、大阪城の話に戻しますが、桜の季節も外国人旅行客は多く、みなさんスマホで桜の写真を撮っていました。日本人もブルーシートを敷いてお花見の準備をしている人が結構いました。大道芸人もいましたし、楽器を演奏している人には多くの人が囲んでいました。ブルカをかぶった女性も何人も居ました。国籍も何も分かりませんが、エメラルドブルーのような色の髪の人もいました。
大阪城公園自体も、天守閣、お堀、石垣といったいわゆる観光向けの遺構はありつつも(天守閣は昭和初期再建ですが)、食べ物の屋台もありますし(フランクフルトやベビーカステラなど大阪とは関係の無いものの方が多いくらい)、最近は公園内に色んな商業施設も出来ました。
JO-TERRACE OSAKA | 歩いてお茶して、緑の中の城下町。
https://www.jo-terrace.jp
MIRAIZA OSAKA-JO | 大阪城と、いい時間を。
https://www.miraiza.jp
歴史的建造物の周りに現代的な商業施設がわんさかある状態です。
また、大阪城越しに大阪ビジネスパークの高層ビル群も綺麗に見えます。
今は桜の季節ですが、梅林もありますし、桃林もあります。
写真にあるように、桃林の周りにも桜があるので桃があんまり目立たないというゴチャゴチャ感も大阪らしいです。
アメリカ合衆国のことを、「人種のるつぼ」とか「人種のサラダボウル」と言うことがありますが、大阪という街は色んな人がいる「人種のごった煮」のような感じだと思います。
基本となる出汁と醤油をベースにして、何でもかんでも切って煮込めばできあがりです。メインの食材はだいたい決まっていて、和食といえる料理ですが、別ににんじんや鶏肉でなくてもソーセージやラム肉やパプリカやパセリが入っていたっていいでしょう。何でも煮込めば「ごった煮」です。
色んな人が来て住んで、文化や習慣を続けて育てていくのが大阪です。
純粋な日本は日本で良いですが、色んなものが混ざり合って出来上がったのも同じく日本です。
言葉も食べ物も習慣も政治体制も音楽も小説も外国の影響を大きく受けて従来のものと混ざり合って日本独自のものを作り続けてきました。
大阪はごった煮でいい。
ごった煮もまた日本です。
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