
J1リーグ中位チームのモチベーションアップには何が良いか?
今シーズンは残留争いから抜け出せないガンバ大阪ですが、土曜日の鳥栖戦において宇佐美のゴールを守り切って久し振りの勝利を獲得しました。これで再び柏を抜いて13位に上がり、降格ラインとは7ポイント差まで広げました。
残る5試合は
11月3日 横浜F・マリノス
11月7日 大分トリニータ
11月20日 名古屋グランパス
11月27日 川崎フロンターレ
12月4日 湘南ベルマーレ
です。6ポイントマッチになる大分と湘南、首位の川崎、2位のマリノス、現在4位の名古屋というキツすぎるスケジュールとなっています。
川崎と戦う頃には川崎のJリーグ2連覇が達成された後でしょうから、向こうは消化試合として緊張感無くなってくれていると良いのですが、それでもキツい相手です。その前の名古屋の方がACL出場権をかけて全力でしょう。
ガンバはあと一つ勝って勝ち点40に乗せれば、J1残留できるはずです。現時点での14位〜17位がみんな勝ち点40に乗るとは思えません。
J1の残留争いではほとんど毎年のことですが、終盤になってくると下位チームが勝ち点を稼ぎ出します。下位チームがお尻に火が付いて補強したり結束したり監督交代して強くなるということもあるのでしょうけれど、その下位チームと対戦する中位チームのモチベーションがそれほど高くないかも知れない、ということもあるのではないかと思います。
ヨーロッパにはUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)やUEFAヨーロッパリーグ(UEL)、UEFAカンファレンスリーグがあって国ごとに割り当てが異なりますが、
J1では3位までがACL出場権が有り、その3位までが天皇杯優勝した場合は、リーグ4位がACL出場権を得られます。
イングランドプレミアリーグでは4位までがUCL、5位がUEL、リーグカップ優勝チームがカンファレンスリーグに出場できます。イタリア・スペイン・ドイツではリーグ6位がカンファレンスリーグに出場権を得ます。
来シーズンの国際大会出場権が、4位までか6位までかでは中位チームのモチベーションが変わってくるでしょう。
南米でも、コパ・リベルタドーレスに各国上位チームが参加し、コパ・スダメリカーナにその下の順位のチームが参加しています。ヨーロッパのチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの関係に近いですね。
今のアジアサッカー連盟では、国ごとのクラブチームの実力差がヨーロッパよりも大きいためか、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)とAFCカップは完全に参加する国を分けています。このAFCカップを拡大して、チャンピオンズリーグに出るチームの次点のチームが出られるようになれば、中位チーム全体のモチベーションアップにつながるはずです。
簡単に言ってしまいましたが、そうは言ってもそう簡単にはいかないでしょう。まず現状のAFCカップに参加しているチームは、優勝や上位をアジアトップクラスのリーグに占められる恐れから反対するかも知れませんし、AFCカップの拡大には参加チームや大会開催費用の負担増につながります。優勝賞金が増えるとも思えません。
現在のACLは国とリーグの誇りをかけて争う大会になりましたが、かつてのACLは一部のファンから罰ゲームとまで言われていました。AFCカップの拡大は個人的には嬉しいですが、参加クラブやサポーターにとっては嫌がる人もいるでしょう。
翌年のルヴァンカップで、グループリーグで勝ち点で並んだら前年度リーグ順位で決めるとか、天皇杯でのシードに差を付けるとかくらいでしょうか?
まだ来シーズンのJ1リーグのレギュレーションは公表されていませんが、おそらくACL参加権はこれまで同様、降格チームは2019年までと同じ17位・18位が自動降格で16位がプレーオフになるでしょう。そうなれば、今年ほどの残留争いにはならないと思いますが、2018年は16位の磐田が勝ち点41でプレーオフ(同勝ち点で5チームが並ぶ)、17位の柏が勝ち点39で降格という凄烈な残留争いでした。
残留争いの厳しさに比べて中位チームの争いが目立たないのは当然かも知れませんが、もうちょっと何かあればいいのになと思います。