ダウン症とは
ダウン症、正式にはダウン症候群は、染色体の病気である。
こう言われてピンと来る人はどのくらいいるだろうか。
わたしを含めた多くの人のために詳しい説明をすると、わたしたち人の正常の体細胞は、22対の常染色体と1対の性染色体があり、合わせて計46本の染色体を持っているらしい。けれどダウン症は、21番の染色体が通常2本のところが3本になっていて(ちなみにこれをトリソミーという)、それにより症状が現れるようになる。これは標準型のダウン症で、全体の90〜95%を占めていて、600~700人に1人の割合で生まれる。
わたしがこのネット社会で得た「ダウン症の原因」がこれだ。もちろんなるほど、と理解はしたが、正直なところ染色体が1本多い、1本少ないというだけで障害の有無が決まるなんてたまったもんじゃないなと思った。あっけないなと思った。いやそもそも障害とはなんだ、異常とはなんだ、健常者とはなんだ、とか少し哲学じみた疑問も多く浮かんだけれど、これは次回の話題としてとっておくことにする。
話を戻して、この標準型のダウン症の発達面からみた具体的な症状をあげていくと、
▫️意志を上手に伝えることができない
▫️理解が遅い
▫️自己中心的な情緒傾向
▫️運動能力が低い
▫️上手く交友関係を築けない
▫️なんでも口に入れてしまう
このような症状が、一般的なダウン症の子どもに見られるものである。発達面以外では、とても特徴のある顔立ちをしていて、共通する特徴として、全体的に平坦な顔貌、厚い唇、大きな舌、つり上がった眼等があるそうだ。
ここまでで、ダウン症に対しての基礎知識を紹介してきたが、なんとなくマイナスのイメージに繋がるようなものばかりだなと感じた人が多くいるはずである。もちろんわたしもそう感じた。
悪い面しかないの?と感じたあなたに、次にダウン症の性格面での特徴を紹介しよう。
ダウン症の子どもの性格の特性として,古くからよく言われていることに,「陽気で人なつっこく,社交的である」「強情な面はあるが,率直で従順で誰からも好かれる」「音楽が好きで,模倣力に富んでいる」「情愛深く,世話好きである」「いたずら好きである」などがある。個人差はあるものの、多くのダウン症の子どもはこれに当てはまる。
実際に、わたしが小学校の頃に出会ったダウン症の少年も、とても心優しくていつも誰かを気にかけている性格の子で、とても素直だったことが印象に残っている。
お腹が痛くて死にそうな時、仲の良い友達と喧嘩して怒っている時、よく声をかけてくれたのはその子で、普段はうるさかったし、全然言うことを聞いてくれなかったけど、優しい子だなと感じたのを思い出した。
このように、ダウン症は発達に影響を及ぼすような症状だけでなく、すてきな性格や好奇心を持つという特徴もあるのだ。
今回は、第一回ということでダウン症の特徴、症状をできるだけ小難しくならないように紹介してみた。
ダウン症は、根本的に治療する方法はなく、多くの合併症を引き起こしやすい病気の一つであるが、このマガジンを通して、全くダウン症のことを知らない人や、身近にダウン症の人が存在しているがどう接していいかわからない人たちと一緒に「障害」「ダウン症」を考えていけたらいいなと思う。