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番外編 年末にヒストリック職工の禁止カードについて考える

職工おじさん、はれのちしとどです。
よろしくお願いします。

※本記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。
題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。
©Wizards of the Coast LLC.

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのファンコンテンツ・ポリシーより。


◆はじまるよ

今回は、普段から専門Discordサーバーまで建てて構築を楽しんでいる、「ヒストリック職工(Historic Artisan)」の禁止カードについてのお話をします。

まず、現時点(2024/12/30)の禁止リストがこちら。
・永久の優雅
・しつこい請願者
・燃え立つ門
・夏の帳
・荒野の再生
・天頂の閃光
・ミシュラのガラクタ

アリーナ上で何らかのイベント(主にミッドウィーク・マジック)で採用されるたびに変遷してきましたが、最後に開催されたのが2024/06/26なのでそこから変わっていないことになりますし、なんなら多分《ミシュラのガラクタ》が実装された2022/11/15頃から変わってません。

ゆえに「そろそろ解禁して構わないカードがあるのでは……?」と思う部分もあり、1枚ずつ改めて目を通していくことにしました。


◆禁止カードを見る

《永久の優雅》

ライフ回復に軸を据えたデッキを抑制するために禁止指定されていると思われるカード。《癒し手の鷹》が禁止カードだった時期すらあるので、ライフゲインに対する警戒心を引きずっている感じはあります。
1マナのクリーチャーを毎ターン復活させるモードもあり、トランプルや墓地追放などで対策しなければ突破することが困難になりますし、設置したターンの終了時から仕事をし始めるのも強力。

《大釜の使い魔》が再調整によって解禁されているのも影響を与えていそうですが、ブロックに使えない《使い魔》はあまり強くはないですし、そもそも、カードプールが拡がった現環境の「ヒストリック職工」で3マナのエンチャントと置いているヒマがあるだろうか、という疑問も浮かびます。

私が考え得るかぎりでは、解禁しても構わない寄りのカード。


《しつこい請願者》

4枚所持していると無限にデッキに入れることができるため、過去に「ヒストリック職工」や「ヒストリック・パウパー」のイベントで《しつこい請願者》が大流行りした結果、【しつこい請願者】デッキをメタってデッキ枚数をアリーナで可能な最大値の250枚にした【しつこい請願者】であふれてしまった、という経緯から禁止カードに指定されています。
同じく何枚入れても構わない《人道に対する膿》や《ネズミの群棲》などと違って、やはり環境そのものを歪めてしまったのが大きいですね。

現環境では、クリーチャーもクリーチャー除去もかなり強力になっているので解禁したところで、当方「職工会」のBO3対戦会などには影響が薄いと予想していますが、不特定多数が参加するBO1の無料イベントなどではやはり大きな存在感を示す可能性があり、公式での解禁は難しいと思われます。


《燃え立つ門》

「ヒストリック職工」の開始当時から禁止だったと記憶しています。
当時の職工環境では唯一の全体除去であり、カードプールの狭さから【門コントロール】に太刀打ちできるアグロデッキは多くはありませんでした。

現環境では《紅蓮地獄》などの存在から全体除去としての希少度は相対的に下がっており、コントロールデッキが「門」に一極集中するという状況は考えづらいと思います。また、タップインの土地である「門」を多用する都合から【赤単】や【親和】などの高速化したデッキへの速度負けや、クリーチャー除去に強い《ザンダーの目覚め》の存在など、以前ほどの圧倒的な制圧力はなく、職工環境のいち選択肢に収まると予想しています。

個人的には、解禁してみる価値があると思っているカード。


《夏の帳》

特定の色にメタを張るカードとしては、レアカードのある環境でも一線級の性能を持っており、おそらく「ヒストリック」で禁止指定されているので、その流れで職工でも禁止になっている1枚。
1マナという軽さはタッチカラーでも使いやすく、効果範囲の広さやアドバンテージを失わない点でも強力で、青系のデッキに対する抑止力として猛威を振るい続けたので「パイオニア(エクスプローラー)」でも禁止。「スタンダード」の禁止経験のあるパワーカードです。

そもそもコントロールに厳しい職工環境で、これ以上青黒系のデッキに辛く当たる必要もないかなと思いますので、現状では禁止のままで構わないと思います。


《荒野の再生》

「スタンダード」で禁止経験があり、「パイオニア」や「ヒストリック」でも禁止カードに指定されている1枚。設置した側の有利があまりに大きくなりますし、対策カードに対して打ち消しを構えられる隙の少なさが強いカードです。

これを置いてマナを構え続けるデッキが横行した過去を考えると、カードプール的にもちょうど「スタンダード」程度の広さかな、と思われる「ヒストリック職工」での解禁はかなり危険だと考えています。


《天頂の閃光》

【サイクリング】をデッキとして成立させたカードではありますが、赤白以外の色を特に問わずに「サイクリング」できるカードを詰め込んだデッキが流行してしまったので禁止入り。お手軽すぎるのも考えものです。

解禁することで環境に存在するデッキが1つ増えるのは確かなのですが、ダメージだけでなくライフゲインもするため圧倒的な巻き返しを行う力を持っている点であったり、「サイクリング」の性質からデッキの大半のカードがドローソースとなっており、デッキの再現性が高くなってしまうのが問題点かなと思います。

【サイクリング】自体はこのカードがなくても構築を模索することができるため、現状では独自に解禁することも考えていません。


《ミシュラのガラクタ》

『兄弟戦争』の特殊枠でそっと実装され、当初から禁止されていたカード。
こんなカードを解禁したら、ただでさえアーティファクト・土地を投入されて全盛期になっている【親和】の勢いが止まらなくなるので、職工的にもアウトで構わないと思います。


◆職工会独自禁止の話

冒頭でお話をしましたが、「ヒストリック職工」は長らく禁止カードの更新が行われていませんので、対戦会を行うコミュニティ(職工会)として独自に禁止指定しているカードがいくつか存在します。

あまり公式フォーマットとのズレは生じさせたくありませんが、新しいセットでカードが追加されても活躍できないような状況もまた好ましくないと考えて、慎重に選定しています。

《広がりゆく海》

「ヒストリック職工」フォーマットでは禁止指定されていませんが、「ヒストリック」では禁止カードである不思議なカード。何らかのイベントで「ヒストリック職工」のデッキを保存しておいてコピーして使用しないかぎりはデッキ構築の際に加えることができない上に、
何よりBO3で対戦会を行いたいのに「指名対戦」で「トーナメント戦(ヒストリック)」を選ぶと不正なデッキ扱いされてしまうので、誤ってデッキに入れないようにあえて禁止カードに指定しています。


《荒々しい財宝略奪者》

一部の「アルケミー」セットで実装されたアンコモンは、希少度の割に過ぎたカードパワーを持っているのではないか?という議論のもとで職工会サーバーで独自に禁止されたカード。

シングルシンボルの2/2/2・先制攻撃で、出たときに「強奪」能力で一旦仕事をし、その後も常在型能力で宝物・トークンの生成を続けるという、シンプルながら強いテキストが詰め込まれています。
「強奪」能力が手札0枚でも解決されるので、手札を使い切りやすい赤系の速攻デッキにも採用されるなど幅広い活躍を見せました。

「対戦相手のリソースを奪って、自分のリソースを増やす」という「強奪」の構造そのものが、カード・アドバンテージの確保を1つの大きな課題とする職工環境においては劇薬であると考えており、これがデッキとして「成立しすぎる」ことで他のデッキを抑圧してしまうという観点から、強奪を持つカードから1種類のみを禁止してデッキの完成度を削ぐ、という方向性に落ち着きました。

個人的には、職工の良さはカードパワーが一定の水準で頭打ちになることで、他のフォーマットでは見られないカードがプレイアブルになる点だと思っており、あえて抑えることでフォーマットの面白さが増すとすら思っていますので、汎用性やカードパワーの高さ、ゲームプレイの面白さに与える影響などの観点から、特に「アルケミー」セット出身のカードは注視して、独自の禁止を出すことを検討するきっかけになった1枚です。


《市場の飛行機械職人》

こちらもサーバー独自で禁止指定したカードであり、「アルケミー」出身。上記の《財宝略奪者》と同時に議論の俎上に載せました。

概ね、毎ターン0/2/2・飛行を1枚手札に加える、と書いてあり、アーティファクト絡みのシナジーを活かして色々なデッキに出張も可能……と言うよりも、強すぎてデッキの主役を食ってしまうほどのパワーを秘めていました。

除去できないと1枚でゲームを終わらせる能力を持っており、個人的には「統率者デッキ系に入っているレアカード」相当の力があると思っている1枚。アンコモン以下に限定される1対1のゲームではやや不健全なカードパワーだと判断して禁止指定しています。


◆ちょっと禁止を検討したカード

これを禁止することで新たなデッキが頭角を顕してこないかな、と何度か検討したカードが以下です。大体、「Pauper」と同じでアーティファクトが悪さをする構築環境です。

《エレヒの石》

墓地利用系デッキに対するメタカードの定番となっており、クリーチャー限定ではありますが、ほぼ《虚空の力線》や《安らかなる眠り》と同様の効果を発揮します。

一応、追放される条件は「死亡するなら」とされているので、ライブラリーや手札から直接墓地に置く構築にすることによって常在型能力による追放は回避できますが、それすら起動型能力によって対策が可能になっており、現環境で墓地利用系のデッキが抑えられすぎている最大の要因になっていると考えています。

仮にこれを禁止指定したところで、墓地対策カードが手薄になるかと言えば、まだ《大祖始の遺産》や《トーモッドの墓所》を始めとした強力、かつ色を問わない墓地対策カードが存在していますので、一旦《エレヒの石》を禁止カードとした職工環境を見てみたいと思っている節はあります。


《教議会の座席》《囁きの大霊堂》

『ファウンデーションズ:ジャンプスタート』への収録でアリーナに実装され、職工での【親和】の立ち位置を押し上げたカードではありますが、
・色マナが出る
・アンタップ状態で戦場に出る
・土地なので対策しづらい
・なぜか青と黒しかもらえていない
などの問題点を抱えており、【親和】のデッキとしての完成度を上げ過ぎてしまった感に加えて、【親和】の構築を青黒の枠に狭めてしまったという印象もあり、禁止を議論するのも良いのかもと考えます。

ただ、赤の《大焼炉》が実装されていたら間違いなく禁止の議論が開始されたので、青と黒しか実装されなくてよかったなと思うところもあります。


◆おしまい

取り留めのないお話にお付き合い頂き、ありがとうございました。
私の職工フォーマットに対する理念の部分をまとめるちょうど良い機会になったと思います。

職工フォーマットで遊ぶためのDiscordサーバー「職工会」へのご参加はこちらからどうぞ。対戦会もやってます。

ご清聴ありがとうございました。

またね。

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