腰抜けロリータである私が実践した「大人のロリ服」のための10のコツ。
残っているのはパスケースとヘッドドレス
先日、ついに私の最後の「ロリ服」がフリマアプリで売れ、無事に旅立っていきました。BABY,THE STARS SHINE BRIHT、グレー系タータンチェックのジャンパースカート。スカートの膨らみ方が私好みの冬物。イギリスっぽいトラディショナル感と共布フリルの協演が絶妙。これに黒いベレーと茶色のブーツを合わせるのがお気に入りだった。
多い時は数十着持っていたロリータ系のお洋服。通称「ロリ服」。
私は、実に30代後半まで、休日の愉しみとしてロリ服を愛していました。しかし徐々に手元から離れていき、この冬最後の一着を売却することで、ロリ服人生は完全にクローズとなりました。残すは青いチェック柄に真っ赤なロゴが刺繍されたパスケース(パールのチェーン付き)と、精巧なレースに見惚れてどうしても捨てられも売却もできなかった臙脂色で(やっぱり)両サイドにロゴモチーフが付いているヘッドドレスのみ。これくらいは場所も取らないからせめて観賞用に持っていてもいいかと自分に免じてのことです。
今日はそんな足掛け15年以上親しんだロリ服との思い出を振り返りつつ、その中で私が試行錯誤し実践してきた「大人世代のロリ服との付き合い方」の具体的方法を「10のコツ」として、当時のプリクラ画像とともにご紹介したいと思います。
実のところ、年齢なんて言わなければバレないし、TPOに激しく逸脱しない限り好きな服は誰が何と茶々を入れようが着ればいいと思っています。まして自分で「もう何歳だし」なんて制限を決めないでほしい。ただ、他人が、ではなく「自分のメンタル的に」自然に、気持ちよく着られる工夫することは大切だと思うのです。そして、これはあくまで私の基準であって、もしかしたら私のしてきた工夫も無用であるという方もいると思いますが、それはそれで問題ないと思うのです。だからあくまでも尺度は自分ということで。webのコラムによくある「30代になったらNG!」「こういうコーディネートは痛い!」とか「こういうヘアスタイルはオバサン」みたいな意地悪なセーブをかけて「どう着るのが正しいのか」などという意図はありませんので、そこらへんは誤解なきよう。。。
私がロリ服を着だしたのは、20代半ばになってからです。なぜこんなに遅咲きかというと、それまではそもそも「ロリ」「ゴシック(ゴス)」「ゴスロリ」というお洋服のジャンルが名称として確立していなかったし、ブランドも立ち上がっていなかったからです。
私は10代後半から宝塚が好きで、娘役の可愛い私服に憧れていました。楽屋を出待ちしてコーティネートをチェックし参考にしていました。ガーリーなスーツ、花柄のワンピース、何といってもピンクハウス系のお洋服。(宮川花子さんが着ているやつです)劇場に、ショッピングに、通学に。着てもいいシチュエーションであれば喜んで着て行きました。
社会人になって宝塚熱も落ち着いてきた頃、次に私にやってきたのは「中世ヨーロッパ風ビジュアル系バンド」。もともとモーツァルトが好きだったので、その世界線は大好物です。気がつけば、巷には空想していた世界が具現化したようなブランドが次々と立ち上がっていました。そしてここからが、私の「ゴシックロリータ」への扉を開くことになるのです。原宿を歩いている「カワイイ」お洋服を着た人たちをスナップした雑誌「KERA」を愛読し、今やロリータの重鎮、青木美沙子氏(今はすでに「みさこちゃん」という呼び名の域を超えているほどの大ベテランだけど)が普通に看護学生のモデルとしてスナップされていた頃です。
そのころのロリ服(コスプレ)仲間ですが、ライブに行っても地元のイベントに行っても原宿に行っても、まわりはみんな10代の中高生ばかりでした。仲良しグループの中で、私ともう1人だけが20代半ばでした。その中で1番仲の良かったお友達は高校一年生。彼女はとても大人っぽくて、上手に黒ロリ服やコスプレ衣装を「キメて」おり、最初は同年代かなと思っていました。彼女も私に「23歳なんです~」なんて自称していたけれど、しばらくたってから「ワタシ、本当は15歳なの」とカミングアウトしてきましたのには驚きました。彼女自身、15歳よりも23歳と思った方が自然だと言っていましたが、確かに15歳にしては妙な迫力というか艶があって、なかなかにドスのきいた美少女でした。
見た目年齢なんてホントにわからないものです。
ただ、私たちは独特の好きな世界観を纏っている以上、他人からは「見られる」ことになります。
もちろん、みなさんそれなりに普通にしてくれて(笑)ありがたかったし、時にコーデを聞かれたりして思いがけず嬉しい思いをすることもありましたが、好奇の目、驚きや不快感を向けて来られることもあります。不思議と、ゴシック系よりもロリータ系の服を着ている時は特にそうだったような気がします。なかには、「オマエは「24」のジャック・バウアーか!?」とこっちがツッコミたくなるほど、不審者を見るかのような「2度見」をされたこともありました(笑)。
しかしこれがまた何というか、若かったせいなのか、そんな視線は不思議と痛くもかゆくもありませんでした。今から思うと私たちは、たまにわざと窓を開け音楽を大音量にして走っているクルマに似ていたなと思います。
好きだったバンドは解散して、あっと言う間に30代に突入してしまいました。「好きなら貫いて着ていればいい」そうその頃から、この当たり前の土台がぐらつき始めたのでした。
もともとロリ服は、周囲の風景とはなじまない服、時空を歪ませる服装です。しかしそれに関して、一切の忖度と妥協はご法度。盛り過ぎだとか、手加減だとか、ヌケ感だとか、そんな着方はチキン同然。
「好きなら堂々と着る」
それが乙女の、ロリータの矜持であり、つまり一種の「戦士」なのです。
何と闘っているかって?
世間の目と、それに忖度しようとする「おのれ自身の弱さ」にです。
しかし次第に私はこの信念に自信がなくなっていきました。
そして「戦士」から降りました。
いかに「街でギョッとされないように着るか」を、問題にするようにしました。と同時に、これも大事なことなのですが、何歳になったらロリ服をやめるとか、いわゆる「年齢」という数値に捕らわれず、好きな服を着ることができる工夫をしようと思ったのです。ちょっと大人のロリ服コーディネートとは、を考え始めた時期でした。
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