市役所小説『お客さま、そんな部署はございません』【第5回】気になる2人組
市役所にも「常連さん」つまり、よく来る人というのがいる。
かつて住んでいた市町村の役所で証明書を出しまくっていた頃は、常連さんといえば「業者」だった。相続を請け負う行政書士、車検のための仮ナンバーを取りに来る小さな中古車販売業の事務員、葬儀社の人。たまに弁護士や、捜査のために公用で証明書を請求しに来る刑事もいる。
コンシシェルジュのカウンターにも、そうした人はいる。
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