入社後の活躍・定着を見据えた新卒採用の取り組み|ハーモスラボイベントレポート
今回は、「入社後の活躍・定着を見据えた新卒採用の取り組み」をテーマに2社様の取り組みを紹介します。
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●1社目登壇者:株式会社グッド・クルー
●発表テーマ
候補者を心から思いやる『共感採用』を追求し続ける日々・・・
「共感採用」に取り組んだ背景と取組内容について
グッド・クルーで大切にしているのは「共感採用」です。
「個人のらしさ」と「会社のらしさ」を、選考を通して突き合わせるために、学生にどれだけ本音で話してもらえるかを大事にしてきました。
ただ、共感採用を行う中で、「1年未満の離職率が多い」という課題がありました。
入社した後に活躍する人材になってもらうためにはどうすればいいのか。本質的なマッチングのために取り組んだことが3つあります。
① 採用CXを構築
② フォロワー担当制度
③ 全社巻き込み型採用
です。
採用CXの構築
採用CXの構築では、共感を大切にするために「候補者との関係性」「候補者の状態」を常に意識できるような社内独自のフローを作成。状況把握を進めています。
フォロワー担当制度について
フォロワー担当制度では、学生一人に対してフォロワーを一人つけることになりました(※現在は小島さん一人が全学生を担当)。
面接前後のコミュニケーションはもちろん、面接後のフィードバックはお見送りであっても必ず設定し、フォロワー担当が、面接担当者から共有された内容を本人に伝えます。
学生によっては、過去の棚卸やビジョンの言語化ができていない方もいるため、フォロワー担当が時間を作って深堀りしていきます。
「自分自身について深堀りするシート」「会社について深堀りするシート」を活用しながら、一人ひとり深堀りを徹底。その人が叶えたいビジョンのためにグッド・クルーなら何ができるかをすり合わせていきます。
全社巻き込み型採用について
全社巻き込み型採用では「採用は会社のセンターピン」という考えに基づき、現場のメンバーをどんどん巻き込んでいきます。候補者一人ひとりの個性や状態に応じ、カスタマイズしながら選考フローを策定していくため、「この候補者は、あのメンバーに会ってもらおう」と個別マッチングを図っていきます。
取り組みによる効果
これらの取り組みを行った結果、入社後1年間の離職率を3分の1に低減することができました。
まとめ:長期的な成長を見据えた採用をいかにできるかが大事
入社はゴールではなく、長期的な成長を見据えた採用をいかにできるかが大事だと考えています。そのためには採用時点での共感が大切であり、双方が選考時に本音で接することが欠かせません。
そこで、フォロワー担当としては、「人事と候補者」ではなく「わたしとあなた」の関係で対話をするように心がけています。
大事なのは、候補者の未来とグッド・クルーの未来を重ねて双方がハッピーになるか?という視点です。
組織で働く以上、100%自分が理想とする環境があるわけではありません。その中でも「ここで働き続けたい、活躍したい」と思う背景には「共感」があります。だからこそ、選考中に共感を醸成することは人事として追い求めるべきことではないかと考えています。
会社の成長に貢献してくれる人か、という視点ではなく、「その人の人生が豊かになり、結果的に会社の未来を明るくすることにつながるのか?」という視点で、目の前の候補者がどう成長していくのか、にフォーカスしています。
今後の課題
今後の課題は、
・集客力の向上
・キャリアデザイン力の向上
・時代の流れに沿った組織への変容
です。フォロワー担当として「わたしとあなた」の関係構築にもっとこだわりたいですし、ライフステージの変化や個人の価値観の変化に対応できる組織を作っていきたい。提供できる仕事のバリエーションを増やしたり、チャレンジできる環境を増やしたいと考えています。個人としての採用力と組織としての採用力を向上させていくのが私たちの次の課題です。
参加者とのQ&A
Q 入社後の研修は何か月まで担当していますか。
A リクルートチームは入社後1年間の定着を目標として追いかけています。そのため、入社後研修もリクルートチーム内で実施します。
もともと、「入社後1年間は採用チームで見るべきでは」と代表からも言われていました。目標として据え置いたのは2022年に入ってからなので、新たなチャレンジとしてスタートしています。
Q フォロワー担当はどの選考フェーズから実施していますか。
A 説明会の実施からすべて、フォロワー担当である私が行います。「私がフォロワー担当になります」と候補者にお伝えし、次の一次選考のステップに向けて個別にメールでメッセージを送っています。
Q フォロワー担当を小島さんが一人ですべて行うのは大変では。業務効率化をどうやって工夫していますか。
A 工数に関してはまだまだ課題山積です。候補者の方とのコミュニケーションは、私が必ず担当し、そこは徹底しています。ただ、日程調整などコミュニケーションが生まれないものは別のサポートメンバーにやってもらっています。
Q フォロワー担当として候補者を年間で何人くらい担当していますか。
A 面接を希望する方全員なので、年間で約500人です(対応時期は、候補者によってズレています)。
●2社目登壇者:株式会社PLAN-B
●発表テーマ
内定承諾率を高めるために実施した採用の取り組み
~リクルーター施策を活用したアトラクトの仕組みづくり~
取り組み実施の背景・課題
PLAN-Bでは17年卒から新卒採用をスタートさせ、コロナ前の21年卒までは順調に採用できていました。早い時期から採用活動をスタートし、サマーインターンや大型説明会、エージェント活用などと費用・工数もかけられていました。
状況が変わったのは22年卒からです。コロナの影響で業績が悪化し、一度は新卒採用をストップする決断をしましたが、中長期的な視野から「やっぱり採用は続けよう」と方針を転換。そのため、採用活動のスタート時期が1年遅れとなり、かけられるコストも大きく減ってしまいました。
こうした課題から、22年卒の新卒採用方針は、
・採用目標人数5名
・採用単価50万
・費用を抑えて、決め切る
となりました。
実施した施策概要
実施した施策は
・リファラル集客:費用をかけない
・リクルーター施策:内定を出した学生に、決め切ってもらう
の2点です。リクルーターの質を高めることしか勝ち筋がない、と判断し、「リファラルで数をどう集めるか+社内のリクルーター育成」に力を入れることにしました。
リクルーター施策は17年卒採用から運用しており、人事1~2名、現場社員7~8名でチームを作ってきましたが、課題が多く残っている状況でした。
大きな課題は、スキルのバラつきと属人性の高さです。
人事に負担が集まりすぎて、人事にしかナレッジが集まらなくなっていたので、決定を出せるメンバーが実質3人程度でした。22年卒採用では、インターンなどアトラクトにつなげられるコンテンツに予算をかけられず、リクルータースタッフの力だけで魅力づけをしていく必要がありました。ノウハウのブラックボックス化を脱し、スキルデリバリーできる状態にすることが求められていました。
具体的な施策内容
そこで実施したのが、1回2時間×8回の研修でした。
私が研修内容を作成し、属人していたナレッジを体系化すべく、キャスト育成に振り切りました。
前半の4回は就活のアドバイザーとして、「学生の人生の軸を見つけるためのサポート」に絞った内容を作成。後半4回はPLAN-Bの採用担当としていかにアトラクトできるかにフォーカスしていきました。
施策の結果・気づき
では、研修を実施したことによって、どんな変化が起こったのでしょう。
以前は、内定承諾者の約8割を人事リクルーターが担当していましたが、今は現場社員リクルーターが内定承諾までを担当。選考中離脱率は15%ほど改善し、内定承諾率も100%になりました。
あくまでもリクルーターは学生にとって就活の一番の応援者という立ち位置ですが、PLAN-Bにマッチしてると評価されている学生にPLAN-Bの魅力をしっかりと伝える事が出来ていると捉えています。
結果として、
・採用単価33万
・採用人数7名
・内定承諾率(リクルーター付与から)33%→54%
を実現することができました。
今後はリクルーターイネーブルメントを実施し、リクルーターキャストをより効率的に育成できる仕組みを創っていきたいと考えています。
リクルーター育成に力を入れたことで、学んだことは、
・人材育成こそが、内定承諾率向上の鍵
・採用施策はエグゼキューション(再現性のある状態をつくること)が命
・登場キャストの一貫性を担保するために、アウトプット物を必ず残す(言葉の認識を合わせる)
・採用キャストの育成はレバレッジが効く
ということです。採用のフロントに出るメンバーの育成に力を入れることは、中長期的な採用力を考えてもとても有効だと考えています。
参加者とのQ&A
Q リクルーターはどのような社員が担当していますか。
A 年次は20代。若いメンバーは新卒1年目、最年長は5年目です。新卒社員がそのままリクルーターになることが多いですが、中途メンバーも1~2名います。社長と議論しながらリクルーター選定を行っています。
Q リクルーターの育成では、短期的なKPIは設定していますか。
A 一番のKPIは、最終面接まで到達できるかどうかです。二次面接を通過したタイミングで、会社としては欲しい人材なので、その後の社長による最終面接の設定率をKPIにしていました。
ただ、インセンティブは一切なく、会社の評価には結びつけていません。達成すると給与アップ…などとしてしまうと、達成をゴールにしたコミュニケーションになり、学生に不信感を与える懸念があるためです。
採用できるかどうかという視点ではなく、徹底的に学生の人生に向き合う。その姿勢を貫ければ、自然とPLAN-Bの文化に共感に魅力に感じてくれると信じています。
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