【あなたの言動は大丈夫?】ハラスメントについてもう一度学びなおそう!
「ハラスメントの定義がわからない!」「モラハラ・セクハラのようなハラスメントに関する用語が多すぎる!」
この記事ではこのような疑問をお持ちの方に読んでいただきたい内容となっています。
この記事ではオンライン研修セミナーで平康慶治が熱演したハラスメントについての研修内容を3回に分けてご紹介します。
第一回ではハラスメントの定義や原因、影響についてお伝えしていきます。
ハラスメントとは?
ハラスメントは「嫌がらせ、いじめ」全般を指します。本人の意図とは関係なく、発言・行動が相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたりすることを定義とします。
時代の流れは速く、昔の考え方が通用しないことが多々あります。例えば、部下のためを思って、成長してほしいからという理由で叱っている人もいらっしゃるでしょう。しかし、部下側からすると理由は関係なく、叱られて不快な思いをしたという事実は変わらないのです。
自身の常識が通用しないことをしっかりと念頭に置き、相手の立場を意識して行動していきましょう。
主要なハラスメント
社会の多様化や従業員の自由の権利が重視されていくにつれて、ハラスメントの種類は増え、現在は50以上もあると言われています。それらは、ハラスメントはパワーハラスメント(パワハラ)、セクシャルハラスメント(セクハラ)、モラルハラスメント(モラハラ)の主に3つに分類されます。
パワーハラスメント(パワハラ):アルコールハラスメント・カラオケハラスメント・時短ハラスメント等
セクシャルハラスメント(セクハラ):マタニティハラスメント・ジェンダーハラスメント・結婚ハラスメント等
モラルハラスメント(モラハラ):スメルハラスメント・エアーハラスメント・スモークハラスメント等
パワーハラスメント(パワハラ)
職務上の地位や人間関係などの優位的な関係を背景に、業務上の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えさせる又は職業環境を害する行為を指します。例えば、部下から見た上司といった地位や管理職といった優位性のあるポジションの人が、適切な範囲を超えた言動や暴力により、本人の技量に合わない仕事に取り組ませることです。また、優位性を持つ人たちに支配されて、逆らえない恐怖で正常な状態で仕事ができない環境を作ることも該当します。
以下ではパワーハラスメントの6類型に沿ってそれぞれの具体例を確認してみましょう。
以上の例は全て関係性や信頼関係にもよりますが、パワーハラスメントに該当します。このような状況、特に身体的、精神的侵害を見つけた場合はすぐに社内や社外の相談窓口報告するようにしましょう。理由は、上司と部下といった優越感に浸ってしまい変える気がない、もしくはわざとやっている場合がほとんどだからです。
セクシャルハラスメント(セクハラ)
職場におけるセクシャルハラスメントとは相手の意に反する性的言動が行われた際に、それを拒否すると不利益を受けたり、労働環境に支障が生じたりする言動や行動を指します。異性だけでなく同性同士でも行われる場合があるので注意してください。セクシャルハラスメントには、①妊娠などで仕事を優先できなくなった従業員に対するマタニティハラスメント、②性的思考や性自認に関連したソジハラスメント、③「男らしさ」「女らしさ」といった一昔前の常識を押し付けるジェンダーハラスメントも含まれます。
加えて、セクシャルハラスメントは対価型、環境型と二つに分けられます。
・対価型セクシャルハラスメント→性的言動を拒否、抵抗したことによって、部下が解雇、降格、減給等など労働条件の不利益を与えられること
・環境型セクシャルハラスメント→性的言動によって周囲の就業環境が不快となり、仕事に重大な悪影響や精神的苦痛が強いられること
以下が、セクシャルハラスメントを起こさないために避けるべき言動です。
モラルハラスメント(モラハラ)
モラルハラスメントはパワーハラスメントと近い意味であり、先輩後輩間や同僚間において、本人の意思にかかわらず相手に精神的苦痛を与える行為を指します。①香水といった匂いを過剰にまき散らすスメルハラスメント、②パソコンといった事務処理機に手間取る従業員に対する嫌味な行為を行うテクノロジーハラスメント、③パソコンのキーボード音やドアの開閉音が周りに悪影響を与える音ハラスメントが含まれます。
ハラスメントと名前のつくものはダメと終わらせるのではなく、対策方法もしっかりと考えていくことが大切です。
ハラスメントの原因
ハラスメントが起こりやすい会社は以下の条件が当てはまる場合が多いです。
また、他の原因として世代間のギャップや価値観の違いが挙げられます。特にSNS普及期に生まれ、物心がつくころからSNSに触れているZ世代は①承認欲求が強く、②多様な価値観を持ち、③受け身志向という特徴を持っています。また、上司からの理不尽さに免疫を持たない世代なのです。
このようなギャップや価値観の違いを解決するためには「他人は自分とは違う考えだ」いう当たり前を再認識することが大切です。
ハラスメントの影響
ハラスメントの影響は個人と組織への影響に分けることができます。
・個人への影響
ハラスメントの被害者は、精神障害を患ったり、最悪の場合自殺したりしてしまいます。日本では精神障害が労災だと請求される件数が増加しており、年間70~100人の自殺者が出ています。被害者の精神的影響として自尊心やモチベーションの低下、過度な自責が考えられ、業務の質にも悪影響が出てしまいます。
一方、加害者も個人的信用を失うばかりでなく、刑事裁判に発展することもあり、家族や社会への影響も図り知れません。
・組織への影響
組織への影響は、職場のモチベーション低下や離職率増加に留まらず、企業の社会的信用の低下、損害賠償といった業績への悪影響も考えられます。少し検索すれば会社の過去に起こした不祥事がいくらでもわかる時代です。会社組織全体が社会の流れとともにハラスメントに対し厳しくなってきています。
第1回ではハラスメントの定義について具体例を挙げて確認していき、それらの原因や影響をお伝えしました。
時代の流れとともに、ハラスメントに関する規制も厳しくなってきているため、会社や個人での考え方の見直しが必要不可欠になってきています。
第2回では現代だからこそ起こりうるハラスメントについて詳しくご紹介します。