【ISO30414に対する考え】#2:人的資本情報とは何か?
最終更新日:2024年4月16日
そもそも人的資本とは
人的資本とは、人の能力やスキルなどを資本として捉えたもので、経済学などで概念として使われてきました。
具体的には、人が身につけている技能・資格・能力等です。企業が人的資本へ投資することは、生産性の向上や経済活動への貢献につながると考えられています。
今までは、ヒトはあくまでコストであると定義されていましたが、近年ではその考え方が変わってきています。
ヒトへ投資することで会社の業績を伸ばすことができる、と世界中で理解されるようになりました。
何からするべきか?
2020年には、米国証券取引委員会が人的資本情報の開示を義務化し、日本でも遅ればせながら注目を浴びているという状況です。
それでは、人的資本情報を開示するためには、何から手をつけたらいいのでしょうか?
実はまだ決まったフォーマットはありません。一番有名であるのが、ISO30414に定められている指標です。
ISO30414は盛り込むべき情報として以下の11領域を提示しています。
・コンプライアンス及び倫理
・コスト
・多様性(ダイバーシティ)
・リーダーシップ
・組織文化
・組織の健全性・安全及びウェルビーイング
・採用・異動及び離職
・スキル及び能力
・サクセッションプラン
・労働力の利用可能性
さらに各領域は細分化されており、合計58の指標があります。
これらすべてに対応することは難しく、大企業、中小企業にとってそれぞれ何を公開すべきなのかについても定められています。
次回は、これらについての活用方法について詳しく見ていきます。
セレクションアンドバリエーション株式会社
参考文献
「ISO 30414:2018
Human resource management — Guidelines for internal and external human capital reporting」(International Organization for Standardization、2018)
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