【ISO30414に対する考え】#3:コンプライアンス及び倫理の活用方法
最終更新日:2024年4月16日
今回からは、各項目についての具体的な活用方法とその効果をお伝えします。まずはコンプライアンス及び倫理について解説します。
コンプライアンス及び倫理について
コンプライアンス及び倫理は、苦情、紛争などのマイナス事象及びそれらを生じさせないように進めている社内活動などについての情報です。もう少し詳細に見ていくと、社内クレーム件数、訴訟件数、懲戒処分件数、コンプライアンス研修受講者割合です。
▼提起された苦情の種類と件数
職場で提起された不満や相談等を含む苦情の件数およびその内訳です。代表的なものはハラスメント窓口などへの相談件数です。
▼第三者に解決を委ねられた係争
外部から訴訟を起こされた件数です。継続しているものと新規に発生したものとを区分して集計しておくと状況が把握しやすくなります。
▼懲戒処分の種類と件数
社内の従業員に対して発令した懲戒処分の件数です。懲戒には段階があると思いますので、それらの段階ごとの集計をします。
▼倫理・コンプライアンス研修受講者割合
ハラスメント研修などの研修を実施した際の受講者割合です。
▼外部監査で指摘され事項の数、種類および発生源とそれらへの対応
外部監査からの指摘事項とそれらに対する組織の取り組みなどへの対応のことです。
このような情報は、毎年整理していくことで、コンプライアンスに対しての意識が目に見えるようになります。外部に対して公開することで、会社の良し悪しや投資の判断材料にもなります。
また社内で公開することで、ただ単にこのような情報を整理するだけでなく、会社がコンプライアンスを遵守していこうとしていることを示すことができます。
他にも売上・利益との相関関係を図ることも面白いです。社内クレーム件数が少なくなったことと売上・利益はどのように関係しているのか、あるいはしていないのかを図り、自社の業績向上にむけた活用が可能となります。
次回は、コストについて見ていきます。
セレクションアンドバリエーション株式会社
参考文献
「ISO 30414:2018
Human resource management — Guidelines for internal and external human capital reporting」(International Organization for Standardization、2018)
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