見出し画像

【ISO30414に対する考え】#7スキル及び能力、サクセッションプラン、労働力

最終更新日:2024年4月26日

今回は、スキル及び能力、サクセッションプラン、労働力の3つについてご紹介します。これですべての項目についての解説が終わります。

◆スキル及び能力
〇有資格者数
業務に必要な資格がある場合に、有資格者数を集計します。
 〇年間教育関連費用
従業員教育にかかる費用全体を集計します。
主に外部に支払う金額ですが、受講者の人件費も合算します。また、社内講師を活用している場合には、社内講師の人件費相当を集計することをおすすめします。
 〇一人あたり研修時間
総研修時間を従業員数で割り戻して集計します。
 〇昇格者数
社内で活用している等級に則り、各等級に昇格した人数を集計します。
特に管理職相当となる等級については明確に確認します。

これらの中で、今まであまり外部に情報公開していないものは昇格者数です。他の項目は、採用サイトに記載されていることがあります。昇格者数が多いのか少ないのかといういこともありますが、組織に適した人材が昇格しているかどうかが大きなポイントになります。

◆サクセッションプラン
〇サクセッションプラン対応ポスト数
後継者育成計画を立案・運用している場合、それに対応しているポストを具体化します。あるべき論としては、管理職の全ポストに対して後継者育成計画を実施することが望ましいと言われています。

こちらの情報もあまり見かけることはありません。外部としては、当該企業の後継者がしっかりと育っているのかを見ています。後継者がいない企業に対して安心して投資することはできません。

◆労働力
〇正社員数
主に経年変化を見る目的で、正社員数を集計します。
〇 パートアルバイト人数
パートアルバイトを活用している場合には、その人数を集計します。

労働力は多くの企業で把握しています。単年ではなく、経年で開示することが求められます。


これまで11の項目について、それぞれ詳細を見てきました。皆さんはどのように感じましたか?私は、ただ単に情報を開示することはあまり意味がないと考えます。開示した情報をいかに活用して、企業を成長させていくかが必重要です。人事として、まずは可能な限り情報を精査し、経営陣とともに情報活用の方向性を整理していくことが今後の課題となります。

セレクションアンドバリエーション株式会社 

参考文献
「ISO 30414:2018
Human resource management — Guidelines for internal and external human capital reporting」(International Organization for Standardization、2018)

おすすめの記事

ISO30414に対する考えをまとめた他の記事はこちらから