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冬の匂いがする。

体が冷えてきた。マスクを外して、すんと空気を吸うと、いつの間にか、ツンと冷たい空気が広がっている。

日中はまだ暖かいけれど、朝と夜の寒さがじわり、じわりと私に返ってくる。

辺りを見渡すと、こないだまで色化粧をしていた葉も落ち葉となり、最近空気が澄んで見える星の数が増えた気がする。

私は冬が苦手だ――

でも、それは他の季節が好きすぎるが故の相対評価。

あるいは、寒さが苦手、冬が寒い、ということによる三段論法の結論だろうか。


冬が苦手だ、なんて言いつつも、冬の温かさや煌めき、忙しなくなる世の中は好き。


寒い寒いと言いながらみんなで囲むお鍋だって、ストーブだって、こたつだって、全部私が愛してやまないもの。

ぬくい、という言葉そのものが表す通りなんだと思う。

ちなみに、寒い日のこたつで食べるハーゲンダッツはこの世で1番贅沢なアイスの食べ方だと思っている。

はたまた、クリスマスというキリスト教のイベントに、世界中が浮き足立ってそれぞれの楽しみ方をする季節。

街中のイルミネーションを見かける度に、光のひとつひとつが、みんなの気持ちの高ぶりを表しているんじゃないか、なんて思ってしまう。


でも、輝く街とは正反対に、身の回り、仕事、そして私のおうちや部屋はバタバタと常に足音を立てて動き回っているようだ。

どこか、みんな落ち着きがない。



鼻を刺すような冷たい空気は、もやもやとした思考を整理するのにちょうどいい。

そして、キラキラとした魔法の中から覚めるのにもちょうどいい。


ぴゅっと吹く北風がみんなの鬱憤を吹き飛ばしてくれたらいいな。


私の周りのみんなの笑顔がまたたくさん見れる1ヶ月になりますように。

冬の良さをもっともっと見つけられますように。

そして今年ラストスパート、寒さと共に楽しめますように。

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