青春はいつまでもキラキラと
ついさっきまで、10年分の写真をバックアップするために眺めていた。
久しぶりに開いたフォルダには、携帯を持ち始めた高校生、スマホになった大学生のときの写真がほとんど。
何度か卒業アルバムを開くことはあったけれど、昔の自分が撮った写真を見るのはなんだか不思議な気持ちだ。
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最近になって、中学生や高校生のときから知っている友達と話すと、中身は全然変わってないよね、大人になった実感なんてしないよね、なんて会話が増えてきたけれど。
街中で高校生たちを見れば若い!と思うし、キラキラ輝いて見えるし、それは過去の自分の写真を見ても同じだった。
当時の自分には絶対に分からない。だけど、10年近くの月日が経って振り返ってみると、たしかに大人になったな、なんて思う。
写真とは不思議なもので、昨日まで忘れていた出来事や思い出、日常で思い出すことすらなくなっていた同級生の顔ぶれを、一瞬で認識できるところまで運んでくれる。
なんというか、頭の中でタイムスリップしているような感覚。
1枚や2枚の写真ではなく、私の青春をぎゅっと詰め込んだ場所をのぞいてしまったから、なんだか少しだけ若返ったように10代のわたしが垣間見えた。
なんてことのない日常や学校の写真だって、今の私が見れば、全部大切な時間を過ごした場所。
今という日常に押しつぶされて、記憶の劣化とともに消えてしまいそうになるけれど、確かに私や出会ったみんなが過去に生きていた記録は、大切に残しておきたくて。
なかなか振り返る機会もなければ、思い出すこともないけれど、心がきゅっとするような、そんな気持ちになった。
この10年、高校生の私が思い描いたような大人になれているのかな、少しは近づけたのかな。
でも、1つだけ言えることは、数え切れないくらいたくさんの人と出会って、いろんな国や地域に行って、大人って本当に楽しいし、まだまだやりたいことだってあるんだよってこと。
人には誰しも過ごしてきたその人だけの過去があるからこそ、目の前の情報だけで簡単に判断してはいけないんだろうな。
今は楽しそうにしている人だって、過去にはとてつもなく苦しんでいたのかもしれない。
逆に今もがいている人は、過去はもっと楽しく過ごせていたのかもしれない。
本人にしか分からない時間が、記憶があるんだって思うと、いつまでも人間って面白いな、奥深いなって思ってしまう。
予期せず高校生、大学生の私をこのタイミングで見れて、知れて、そして思い出せてよかったな。
今日の記憶をそっと、宝箱に戻して。
ぼんやりと描いた青春を胸に閉まって、私は明日もまた会社へ向かう。
今日はどんな夢が見れるかな。
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