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行動経済学:ナッジとスラッジ

こんにちは。HRDX & Co. 代表の ノノミヤ チヒロです。
今日は、行動経済学の概念であるナッジとスラッジ、デザイン思考のバリュープロポジションキャンバスというフレームワークについて、ご紹介します。

ナッジは、人々が望ましい選択をしやすくなるように、さりげなく促す方法です。一方、スラッジは人々が特定の行動を取る際に直面する障壁や摩擦です。

ナッジの例としては、例えば、サブスク型のe-learningを導入している場合を例にとると、以下の例が考えられます。
・期初に学習計画シートを提出して期末に振り返りを行う
・定期的にライブ講義を実施して参加を促す
・ライブ講義に対談セッションを導入する
 (⇒グループワークにおける受講者の発言の敷居を下げるため)
・提出課題など一定の締め切りを設ける
・相互に成果物を共有し、他の受講者の学びからモチベーションを得る

上記の例は、筆者の実務において導入済みで、すでに大きな成果を上げています。

一方、スラッジの例としては、社内の申請手続きを例にとると、以下の例が考えられます。
 ・複雑で時間がかかる申請プロセス
 ・分かりにくいUI/UX
 ・過度に複雑な申請手順や承認ステップ

これらのスラッジを取り除くには、以下のような対策があげられます。
 ・プロセスのシンプル化
 ・直感的なデザインの導入
 ・不要な手順や承認ステップの削減

デザイン思考と行動経済学の応用

デザイン思考は、ユーザーへの共感・理解を通じて問題を解決するフレームワークです。デザイン思考のバリュープロポジションキャンバスというフレームワークと、行動経済学のナッジ/スラッジを応用することで、ユーザー視点での問題解決を行うことができます。

バリュープロポジションキャンバスでは、ナッジ/スラッジは以下のように対応しています。
 ナッジ  → ゲイン
 スラッジ → ペイン

バリュープロポジションキャンバスは、ユーザーのニーズと、自身の提供価値を明確にするツールで、職場のDX推進におけるスラッジ除去の文脈でいうと次のように適用できます。

顧客セグメントの理解

ユーザーのジョブ:ユーザーが日々の業務で何を達成しようとしているかを特定します。
ペイン: スラッジがユーザーの業務遂行にどのような障害をもたらしているかを識別します。
ゲイン: ユーザーが業務遂行において実現したいことや改善したいことを明らかにします。

バリュープロポジションの構築

製品・サービス:
スラッジを除去し、従業員の「ジョブ」を支援するデジタルツールやプロセスを挙げます。
ペインリリーバー:
各ツールやプロセスが従業員のどの「ペイン」を解消するかを特定します。
ゲインクリエーター:
提案された解決策が従業員のどのような「ゲイン」を実現するかを定義します。

具体的な事例

例えば、ユーザーが、人事関係の申請の提出時に、各ライフイベントにおいて、どの申請書を提出すればよいかにおいて時間がかかっているという「ペインポイント」が特定された場合、「ペインリリーバー」として、例えば、
ユーザーがシステムからの質問に答えていくと、必要な申請書に簡単にアクセスできる仕組みを検討します。

これにより、ユーザーは問い合わせの手間をかけずに申請を自己完結できます。また、担当部署の担当者は、問い合わせ対応の工数を削減し、他のユーザーに向き合う時間を確保できます。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今後とも、ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

HRDX & Co. 代表 ノノミヤ チヒロ

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イラストは MidJourney にて作成しました。
【使用したプロンプト】
1) Please draw an illustration of the concept of nudge in behavioral economics. Draw an illustration of an elephant pushing the butt of a baby elephant with its trunk.
2) Please draw an illustration of the design thinking value proposition canvas in a crayon style.
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