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ESの未提出、選考の歩留まり、内定辞退等でお悩みの企業様へ(採用ナーチャリングという考え方)

新卒の採用担当者の皆様、
11月に入り、本格的にイベントの開催や
早い会社では既に選考を開始されている
企業もあることかと思います。

採用選考は早期化していき、
簡単に内定辞退をされてしまう昨今、
どうすれば学生の興味関心を集め、
意向醸成できるのでしょうか?

一つの提案として
『採用ナーチャリング』の考え方を
取り入れてみることをお勧めします。

ナーチャリングって何?という方
え?それって採用で使う言葉じゃないよ
と思われた方も含めて、
今回の記事を読んで頂きたいです。

なぜ、この考え方が採用に生きるのか?
記事を読み終わる頃には、その理由が
腹落ちして頂けることを約束します。


1.ナーチャリングとは?


最初に『ナーチャリング』とは何か?
ご説明していきたいと思います。

この用語は本来、
営業プロセスの中で使われる言葉で
『見込み顧客の育成』を指します。

今回は説明し易いように上記のリンク先の
画像を参照して説明します。

(株)CINC Keywordmap Academy 記事より引用

例えば、無料コンテンツを元に集客したとして
メールアドレス等の個人情報を入手した後、
いきなり商談に持ち込むのは難しいですよね?

そのため、集客の後に(顧客)育成を経て、
送客(商談に持ち込み成約する)するといった
営業手法があります。

この営業手法の中でも
『育成』のフェーズのことを
リードナーチャリング』と呼びます。

なぜ、こんな面倒なステップを踏むのか?

それはコモディティ化(※1)した商品を除いて
何かしらの商品やサービスが欲しいと思っても、
いきなり購入とはなりません。

特に高額なれば顕著に表れるのですが
興味関心(情報収集)を行っているフェーズから
比較検討の過程を経て決定される場合が大半です。

いきなり、街中で異性を見つけて
「結婚してください」とプロポーズしても
成約するはずがない理屈と同じことです。

そのため、
見込み顧客を獲得する行為
比較検討の対象になってもらうための行為
は分けて考える必要があるのです。

従って、この考え方が、
学生の興味関心を惹いた後、
出来るだけ多くの学生に
採用選考へ参加して欲しい…

そう考えた場合、同じ理屈になると思い、
まだメジャーではありませんが、
採用過程にも取り入れている企業が
少しずつ表れてきました。

※コモディティ化
製品やサービスについて、性能・品質・創造性
・ブランド力などに大差がなくなり、顧客から
みて「どの会社の製品やサービスも似たような
もの」に見えるようになった状況を指す。


2.企業選びにおける学生の心理とは?


さて、次は先ほどの章では顧客にあたる
学生側にフォーカスを当てます。

学生が企業選びを行うとき
どのような基準で選ぶのか?

情報源はマイナビニュースより引用します。

まず、内定受諾した時の理由について
順位を見ていきましょう。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ

1位:自分のやりたい仕事ができる
2位:社員や社風が魅力的である
3位:希望の勤務地に就ける
4位:待遇が魅力的である
5位:業績が安定している

次に、経年で比較した時に伸びているもの
を見ていくとある特徴が伺えます。

【増加傾向にある理由】
・自分のやりたい仕事ができる
・希望の勤務地に就ける
・育成に力を入れている
・労働時間や勤務スタイルに魅力がある
・入社後のキャリアを具体的にイメージできる

それは、待遇面よりも
自分の仕事を軸に見たときに

働きたい働き方か?
成長がイメージできるか?

といった部分に重きを置かれていることが
分かるのではないでしょうか?

一方で、就活を経て、
自分自身のことをどのように見ているか?
見ていきましょう。

出典:リクルートマネジメントソリューションズ

条件面や採用担当者の人柄だけでなく
働き方や成長をイメージできるかといった
自分自身のキャリアには興味があるが、

多くの学生は働くことに対して
きちんとイメージ出来ていないまま


就職先を決めているのが実態と言えます。

このような状況が続くと
ミスマッチを引き起こす原因となり、
早期退社等のリスクを負うことになります。

従って、学生のためにも
企業側には出来る限り丁寧に、
学生が『自分ごと』としてイメージ出来る様に
情報を発信して頂く必要があります。


3.採用ナーチャリングとは?

営業のナーチャリングとほぼ同じ手法で
『求職者の育成』を指します。

いきなりナビサイトで応募したら
直ぐにESを提出してもらい、
選考へ参加する…という流れではなく

①応募
 ↓ ※イベント参加を促進する
②会社説明会等のイベント
 ↓ ※ES提出から選考の流れを案内
③ES提出
 ↓ ※学生に知って欲しい情報を発信
④採用選考への参加
 ↓
⑤内定通知・受諾・面談
 ↓
⑥内定式
 ↓
⑦入社

このように細かく分けると
7つのプロセスに分類できます。

特に重要なポイントは
②と④のプロセスであり
その前後で就職意向を醸成できるか?

ここがポイントになってきます。

また、※印の所には
動画やインフォグラフィック等で
企業が伝えたいことを、学生目線でお役立ち
情報として発信すると効果があります。

過去に動画やインフォグラフィックに
関する情報発信の話をしています。

こちらの情報も意向を促進するための
補助ツールとして、非常に役に立ちます。
深く勉強したい方はぜひご確認ください。

ただし、
ここで注意して頂きたいことがあります。

それは『常に全体最適で考えること』です。

新卒採用においては
全体設計をする人もいれば、
リクルーターのようにイベント等で
学生と直接応対する人もいれば、
採用面接者もいます。

中小企業では全員同じという企業もあれば
大企業では部署をまたぐ場合さえもあります。

大切なことは全体で考えることで
一人の担当者の部分最適にこだわる
大抵が失敗してしまいます。

以前にレンガ積みの職人の話をしましたが、
私の仕事は「レンガを積み上げること」で、

目の前のレンガをキレイに積み上げること
が全体に為になると盲目に信じている人
が多くいます。

これが日本企業においては多いため
非常に注意しなければいけません。

この場合、
現在のチームマネジメントにおいては
What「教会をつくること」であり
Why「みんなの憩いの場をつくること」
を示すことが重要になります。

先に目的(WhyとWhat)を明確に示し、
次に全体の流れと個人の役割(How)を示すこと
が必要となります。

工場ラインの仕事のように
決められた手順を決められた通りに行うという
手法が最適とされた、過去の仕事のやり方は、
昨今の採用ではNGとなります。

リクルーターは学生の生の声を聞き、
顧客理解=求職者のニーズを把握します。
イベント時にアンケートを取るのも有効です。

全体設計の担当者はニーズを元に
いつ、どの情報をどのような手段で届けるのが
良いか設計が重要となります。

面接者は学生の「見極め」以外にも
「惹きつけ」が重要な役割となります。
ここで求職者のニーズに寄り添った情報提供を
することで、学生は納得感が高まります。

圧迫面接は論外ですし、
型にハマった構造化面接だけして終わりでは
学生の心は動かないと覚えておきましょう。


如何だったでしょうか?

採用ナーチャリングの定義や
全体の流れはご理解頂けましたでしょうか?

この考え方は最近登場してきたもので
まだ確立した運用として公に出ていないと
思いますので、ぜひ自社の勝ちパターンを
作る際の参考にして頂けると幸いです。

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