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アメリカで車を買う前に絶対に読んでほしい話 | 30代のアメリカ生活
渡米半年弱の先日、ようやくアメリカで自動車を購入しました。
出産前には買っておきたかったので、免許を取得後急ピッチで下調べをしてディーラーに突撃しました。
半分成功?半分失敗の自動車購入談をみなさんに聞いていただき、この失敗の悔しさをどうにか昇華させてください。(8,000字超えの大作になりました。)
自動車購入の選択肢
日本で車を買うと言えば、新車を購入する方がほとんどではないでしょうか。アメリカでは逆に中古車マーケットが圧倒的に大きく、自動車購入者の7割が中古車を購入するようです。
特に日本車は品質が良く故障が少ないため需要が高く、走行距離10万マイルを超えている中古車もそこそこの値段で販売されています。調べたところでは20万マイルを超えても問題なく走るようです。つまりリセールバリューが高いということ。
また、車社会のアメリカでは、駐在者や留学生など数年単位の滞在者でも滞在中は自動車を保有し帰国時に手放すということも多いせいか、年式の新しいものや比較的マイルの少ない中古車もたくさん販売されているので希望する条件の中古車も見つかりやすいです。
と言うことで、自動車購入は以下の3つが主な選択肢となるかと思いますが、周囲では②-1のディーラーで中古車を購入が圧倒的に多く、個人売買での中古車購入も聞いたことはある、というのが体感です。
① 新車
②-1 中古車(ディーラー)
②-2 中古車(個人売買)
我が家の場合
我が家の場合、アメリカ滞在予定は(伸びる可能性もあるものの)現状2年程の見通し。売却時のことを考えると、価格が安定している中古の日本車一択でした。
個人売買も検討しましたが、時間に余裕がない(出産までに購入したい)ことを考えると個人売買の中古車ではあまり選択肢がなく希望の車種も見つからなかったので、ディーラーで中古車を探して購入することにしました。
ちなみに個人売買の中古車は主にびびなびで探しました。急いでない方はディーラーよりも低価格で購入できる可能性が高いので、気長に探しても良いかもしれません。ただし、メンテナンスの状況や故障個所がないかなどは購入前によく確認する必要があります。
中古車(ディーラー)の探し方
中古車を探す際はCarGurusのような比較サイトを使って探すのがおすすめ。アプリもありとても使いやすいです。
このサイトで希望の車種や走行距離、年式、価格帯などを入れると様々なディーラーの在庫が確認できます。
また、市場平均価格に対して安いか高いか(great deal / fair deal / high priceなど)を自動で表示してくれるので、自分で在庫を見比べて考えずともパッと見てわかるのが便利です。この市場平均価格というのは車種、年式、走行距離、コンディション等から総合的に判断されているとのこと。
ただし、中古車を購入する場合は備えているオプションの条件がそれぞれ違うので、そこは注意が必要です。例えばスマートキーやカープレイの有無など。追加でつけることはできますが、別途費用が必要になる可能性があります。
このようなサイトで良さそうな中古車のあたりを付けたらディーラーに在庫を確認し、実際に見に行くアポイントを入れます。
※アポイントなしでも見せてもらうことはできます。我が家は上記のようなアプリで調べる前に、とりあえず見に行くか!とTOYOTAのディーラーに突撃しました。店舗に入り適当な従業員さんに声をかけ「車の購入を考えていて、こんな感じの車種を探している」と言ったら快く見せてもらえました。
が、もちろその時その店舗にある在庫しか見られないですし、予備知識なしで決断できるわけがなかったので購入はしていません。
ちなみに、在庫問い合わせをしてから毎日のように「まだ興味ある?」「いつ見に来る?」と言うようなメッセージが来て面倒だったので、問い合わせをするのは見に行くことができる日程の1~2日前でもいいと思います。
(在庫確認の連絡をしてすぐにわたしが「●月●日に見に行く」とちゃんとした返事をすれば良かったということは棚に上げておきます。)
我が家の自動車購入体験談と反省点
こんな感じで中古車探しをしてきた我が家ですが、この後ディーラーに事前にいろいろと車両情報などを確認することなく、CarGurusのサイト上の情報確認と、ディーラーへの在庫確認のみ行い、その後直接ディーラーに実車確認へ向かいました。
その際の体験談と大いなる反省点をご紹介させてください。
※さっさと確認すべき事項だけ知りたい方は飛ばしていただいて構いません。
◆当日朝
ディーラーへは前日にも明日の午前中に見に行きますと連絡してあったのですが、当日の朝「今日来るんだよね?」と再度電話がきました。本当にしつこい。今向かってます!と答えると「Great! 待ってるね!」とのこと。
◆ディーラーへ到着
店内に入り声をかけてきてくれた店員さんに「●●さん(Mr. Kと呼ぶことにします。)と連絡を取ってます。今日来ると伝えてあります。」と話すと、すぐに担当者が出てきました。
Mr. Kと挨拶をするとすぐに「じゃあ早速試乗しよう!」と玄関前に車を用意してくれていました。「短いルートと長いルートどっちがいい?道案内はするね」ということで、長いルート(といっても5分ほど)を選択し、ディーラーの周りをぐるっと回りました。後で細かく書きますが、試乗の際に内装の様子、におい、エンジンをかけてスムーズに始動するか、運転中に異音がないかなど確認しておきます。
車両自体には特に問題なく、運転しやすく内装も綺麗でとても気に入りました。外装に細かい傷は多少あるものの、ぱっと見では気にならない程度。
ここで、試乗を終えて店内に戻る際、車両に貼ってあった価格表に目が留まります。んん?サイト上で見ていた価格より5,000ドルぐらい高くない?どういうこと?
◆店内へ戻り販売価格の確認
予想外の金額が表示された価格表にそわそわしながら店内に戻り、案内された席に着きます。とりあえずこれを入力してと言われた顧客カードのようなものを入力していると、Mr. Kが「これが販売価格だよ」と1枚の紙を持ってきました。
やっぱり5,000ドル以上高い。「サイトではこの値段で見たんだけど。」と伝えると内訳を説明されます。「車両のみの価格はその値段(サイト上の表示)。それに加えてディーラーでつけているオプションが3つと、税金等がこれ。合計でこの値段になる。」とのこと。わかりやすく言うと以下。
(価格は仮定であり、実際の価格ではありません。)
車両価格:21,000ドル
オプション価格:3,000ドル(1,000ドル×3)
諸手続費用:100ドル
税金:2,300ドル
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
合計:26,400ドル
いや、オプション高すぎるわ!!いらん!と主張しましたが、「車両価格をかなり下げてるからこれを外されるとディーラーの利益がない、外すことはできない。」と。そして「予算はいくらなんだ」と聞かれます。
※ちなみにオプションの内容は、購入後のバッテリーの無料交換や外装内装のコーティングなど。
さすがにこんなにオプションが付くとは思っていなかったので、急にこれをベースに予算を聞かれても困ってしまいます。なんなら、下調べしたブログなどでは提示価格から5~8%ぐらい値下げ交渉できると読んでいたので、20,000ドルぐらいにならないかなとか思ってました。
とはいえ、車両価格が格安なのは本当で、他のディーラーでは車両価格だけで22,000~23,000すること、どこでも多少のオプションは付けられるだろうということを踏まえると、この値段より大幅に安くなることはないのではと考えました。
(他社のディーラーで自動車を購入した友人からオプションでいくらぐらい上乗せになったという話は聞いていました。今思えばそこからオプションのことを想定しておくべきでした。)
税金は仕方ないとして、こんな高額なオプションは想定していなかった、税前(車両+オプション)で22,000ドルなら考えると伝えましたが、「上司と相談したがオプションは外せないし、これ以上下げられない。」とのこと。
ここで、車両の状態や車歴を確認することを忘れていたことを思い出しました。試乗だけしてすぐに値段の話をされたので、完全にMr. Kのペースに乗せられています。価格の話は一旦置いておいて、Carfaxレポートが見たいから出してほしいと話を変えました。
◆車歴の確認
Carfaxレポートというのは、車両の走行履歴や過去のオーナー数、メンテナンス履歴、事故歴、レンタカーとして使用されていたかなどが確認できるレポートです。
車両の見た目が綺麗でも、事故歴やメンテナンス履歴によっては購入後の故障発生やメンテナンスが必要になる可能性があるので確認しておく必要があります。ディーラーが前オーナーから車両取得後に整備を行っているかも確認しておきます。
依頼するとすぐにレポートを出してくれたので、上記の点をざっと確認し、やはり車両自体には特に問題はありませんでした。念のため口頭でも商用車としての使用がないか確認し、これも該当なし。やっぱり悪い条件ではないのかも…と思いつつ予想外の価格に決心がつきません。
◆再度の価格交渉
やっぱり決められないからちょっと外に出てくる、30分ぐらい考えさせてほしい(隣に似たような条件の同車種を置いている他社のディーラーがあったので、オプションの条件を聞いてこようと思ってました)と伝えると、「わかった、もう一回上司と相談するから少し待ってほしい」と引き止められます。
戻ってきたMr. K「わかった。税後で25,000ドルでどうか」と。先ほどこちらから提案した税前(車両+オプション)で22,000ドル+税金等2,400ドル=24,400ドルよりは高いものの、当初の価格よりはだいぶ譲歩されており、オプションがついてこの値段なら許容範囲内か…(税金考慮してなかったのは単純にわたしの計算ミス)と考え、購入することにしました。
◆支払い、そしてまたも予想外の話
ファイナンス部門の担当者に交代され支払いの話になりました。ローンにするかキャッシュで払うか。キャッシュで払うというと、「クレジットヒストリー構築にはローンを使った方がいい、どうしてローンで払わないんだ。」たしかにクレジットヒストリーは早く構築したいですが、自動車ローンに高い金利を払うデメリットの方が大きいと思う。キャッシュで払えるからいいんだと断ります。
そして一応小切手も持って行っていたのですが、その日持っていたのはパーソナルチェックで高額用のチェックではなかったので、翌日銀行に行って送金するのでどうかと提案され承諾しました。すると「じゃあ、今日はいくら払えるんだ?」といきなり聞かれます。一部頭金としてクレジットカードで支払うようです。いや、それ聞く態度でかすぎない?という気持ちは置いておいて、それこっちが決めるの?と思いつつ、端数部分をクレジットカードで支払うことにしました。
そしてここでまたも驚きの話が。「このままだと保証が付いていないが、付けないのか。4年で2,500ドルで付けられる。今は問題なく見えても、急に修理が必要になることがあるから付けた方がいい。」
えええ?保証付ける選択肢あるの??Mr. Kとの話では触れられなかったし、オプションの内容がバッテリー交換とかだったから、それ以上の保証はないものだと思ってた。しかもここからさらに2,500ドルって。
たしかにわたし保証については聞かなかった。このディーラーでは保証はないのかと思ってまあいいかって。これはわたしの失敗だ。でも、もっと早く保証の話出してくれても良くない?ここまで来て価格の再交渉なんてできないし後出しじゃんけんじゃない?とモヤモヤ。
もう付けました保証。ちなみにいらなくなったらいつでも解約できて、解約後の期間分は違約金などなく均等割りでそのまま返金されるそうです。
◆車の引き取りどうするか問題
まだ保険の契約をしていないので当日そのまま乗って帰ることはできません。すでに見積りは取り始めていましたが、保険の契約には車両の固有ナンバー(VIN)などが必要なので、購入する自動車が確定していないと契約できず、購入後に手続きをするつもりでした。
それを伝えると、「ひとまず明日支払いをしてくれれば良い。その後保険の契約ができたら明後日か明々後日にでも引き取りに来れば問題ない」とのこと。そんなにすぐに保険の契約は完了しないと思うけど、支払い自体は明日する。また保険が契約出来たら連絡する。と伝え、この日の手続きは完了しました。
◆保険のその後、そしてまたまた予想外の話
その後保険の見積りを急いで進めましたが、申し込みから保険証書の発行まで最低5日はかかるとのこと。日系のエージェント何社かに見積りをお願いしていましたが、これはどこも同じでした。
我が家としては翌週末などに車の引き取りができれば問題なく、それで進めようとしていたところ。「5日後の引き取りでは遅すぎる。月末を越えてディーラーで自動車を保管することはできない。」とMr. Kから連絡がありました。ちょうど自動車を購入したのが月末数日前だったんです。
いやいや、そんなことあの日一言も言ってなかったじゃん!それにわたし保険の契約はこれからだから何日かかるって言ったよね?
「短期(1か月)の保険をこちらで手配するから、まずそれを契約して車を引き取ってくれ。」と。いやだからこっちはそんな早く引き取る必要ないのよ。それ購入手続きした日に言ったよね。5日で保険用意するから待ってよ。と何度も言いましたが「月末までに引き取れ」の一点張り。埒が明かないので、今の保険の見積り額を伝えて、同じかそれ以下の値段で正式な保険(短期保険の後に契約する長期の保険)を用意してくれるなら短期の保険も契約する。ということで落ち着きました。
(更に言うと、保険の契約に必要なBill of Saleがディーラーからなかなか送られて来ず、それも原因となって保険の契約が遅れました。)
そうしてMr. Kが用意してきた短期の保険は、長期の保険用に見積りをとっていた補償内容より全然薄いし月割の金額よりも高かったですが、最初に提示してきた短期の保険からは保険料半額ほどになっていたのでもう面倒で契約しました。
その代わりと言ってはなんですが、月末までにディーラーに行くことはできないとごねたらMr. Kが我が家の自宅まで購入した車両を運転して届けてくれ、ついでにスマートキーを追加で一つ作ってきてくれました。実際に会うと憎めない感じの良い人なんですよね、Mr. K。
正式な保険については「必ず同じかより良い条件で用意する、俺は約束を守る」と言っていたし、本当に動いてくれていましたが、もともと予定していた保険会社では対応できなかったこと、代替の保険会社では日本語でのサービスがあるか不明だったので、こちらは断って元の日系エージェントを通して契約しました。こちらも正直色々あったのですが、最終的にもともと見積りをもらっていたものよりほんの少し良い条件で契約できました。
まとめると
オプションによる値上がりについてはまだしも、保証や車両の引き取り期限、短期の保険の後出し感についてはかなりモヤモヤしましたし、不満もありました。
が、総合的に見て結局今回の自動車購入が良かったのか悪かったのかは正直今でもわかりません。しっかりしたオプションや保証が付いたのは事実ですし、後出しされたとはいえ、納得いく順序で話を聞いていても最終的な値段は変わらなかったかも。
(車両の引取期限を後から知らされたこと、保険が遅れたのはディーラーのBill of Saleの送付漏れも原因となったことについてはやっぱり納得いきませんが。)
こちらもアメリカの商習慣を把握できていなかったために起きた後悔というところはあるので、勉強になった体験でした。
反省点を踏まえて考える、確認すべき事項
~車両編~
事前確認
在庫の有無
→ディーラーに直接問い合わせ車両価格の確認
→我が家の場合、ディーラーに行った際に「いくらで見た?」と聞かれました(笑)CarGurusのサイト上で価格推移を確認できるのですが、結構頻繁に値上げ値下げしているので、この価格!というときにスクリーンショットを取っておくといいかもしれないです乗り出し価格(車両価格以外も含めた合計金額)の確認
→我が家は乗り出し価格までは事前に確認しておらず、オプションと保証の追加で予想外の価格になってしまいました。これを事前に確認しておけば、どんなオプションがいくらで付くのか事前にわかると思います。それであれば少なくとも心の準備も交渉の準備もできたので、事前に確認することをお勧めします!
その他の確認事項(当日でもOK)
事故歴の有無
→CarGurusのサイト上でも確認できますが、前述のディーラーで出してもらったCarfaxというレポートでも確認可能メンテナンス歴
→適切にメンテナンスされているか、前オーナーからディーラーが取得後に整備されているか保証の有無
→保証を付ける場合は保証まで含めて価格を検討、交渉をするのがおすすめです!
実車・試乗確認
車両全体、外装の確認、ガラスの割れなどがないか
内装の確認、においや汚れなどがないか
エンジンをかけてスムーズに起動するかどうか
試乗中に違和感がないか(異音や異臭など)
運転しやすいか
車内の広さ、トランクの容量など
~ディーラー対応・購入手続き編~
車両に関する確認事項は下調べをして問題なく確認できました。一方でディーラー対応や購入手続きについては考えが及んでおらず全く下調べができていなかったので、この点が我が家の後悔につながりました。
大手のディーラーであれば車両自体に問題があることはそうそう無いかと思うので、本当に大事なのはこちらだったと今になって思います。
オプションの内容と価格の確認
→ディーラーによってオプションの内容や価格、要否は異なります。車両価格に上乗せになるので確認必須です。保証の有無と価格の確認
→繰り返しになりますが、保証を検討する場合は保証も含めて合計金額を確認、検討したほうが良いです。ディーラーから話がない場合は確認することをおすすめします。支払い方法の確認
→ローン、キャッシュ(チェックか送金か)、頭金の金額など。引取期限の確認
→保険の契約完了まで待ってもらえるのかどうか。引取期限が短い場合は1か月の短期保険への加入が追加で必要になる可能性があります。また、ディーラーで用意される保険はカバー範囲が最低限で心許無いものの可能性が高いです。心配であればその点もよく確認するのが良いと思います。(契約後)Bill of Saleをもらう
→保険の契約に必要になります。また、銀行で送金する際にも、ディーラーが用意した送金金額等を記した簡単な1枚紙を持って行ったのですが、「正式な書類じゃないけどこれ送金して本当に大丈夫?」と聞かれました。(そう、契約書の写しなどもらっていなかったんですね。これも我が家の確認不足です。)契約時点で契約を証明する正式な書類を依頼したほうが良さそうです。
最後に
こんな感じで後悔あり、モヤモヤあり、Mr. Kとの必死のバトルを繰り返したわたしですが、車を手に入れた今毎週末のように車でウキウキとお出かけをしています。車を手に入れてから本当に行動範囲が広がりました。
そして、この経験のおかげで英語対応の度胸もぐんとレベルアップした気がします。(体験談では端折りましたが、何度も何度もMr. Kと電話で交渉しました。)やるしかない状況になればできるものです。とか言って結果としてはほとんどこちらが折れてるんですけどね…
みなさんには是非わたしの経験を踏み台に納得できる自動車購入をしてもらえたらなあと思います。
それでは。
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