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【要約】糖質疲労/山田悟

糖質疲労は、北里大学北里研究所病院副院長・糖尿病センター長の山田悟医師が提唱する概念です。これは、食後の血糖値の急激な変動に起因する体調不良を指します。

山田医師によると、糖質疲労の主な症状には以下のようなものがあります:

  1. 食後のだるさや眠気

  2. 集中力の低下

  3. 疲れやすさ

  4. 食べ足りない感覚

これらの症状は、まだ病気とは言えないものの、放置すると将来的に糖尿病、肥満、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病につながる可能性があります。

糖質疲労の原因は、主に食事による血糖値の急激な変動です。通常、血糖値は食事で上昇し、空腹時は70mg/dL〜100mg/dL、食後は140mg/dL未満の範囲で変動します。
しかし、糖質量の多い食事や甘いものを過剰に摂取すると、この正常範囲を大きく超えてしまいます。

特に注意が必要なのは以下のような食習慣です:

  1. 朝食後:1日で最も血糖値が上がりやすい時間帯

  2. 糖質の過剰摂取:例えば、ラーメンと白米を一緒に食べるなど

  3. 炭水化物中心の食生活

山田医師は、日本の食文化が糖質偏重になりやすいことを指摘しています。バランスの良い食事として糖質過多の食事が推奨されてきたこと、また忙しい日常生活で手軽な糖質中心の食事が選ばれやすいことが、糖質疲労を引き起こしやすい環境を作っています。

糖質疲労は、単なる疲労感やパフォーマンスの低下にとどまらず、長期的には様々な健康問題につながる可能性があります。山田医師は、健康診断で空腹時血糖値が110mg/dl以上になると糖尿病や糖尿病予備軍と判断されますが、その約10年前から食後高血糖と血糖値スパイクが現れ始めると指摘しています。

糖質疲労への対策として、山田医師は以下のようなアプローチを提案しています:

  1. 食後の血糖値を知る:自分の食後の血糖値の変動を把握することが重要です。

  2. 糖質の摂取量を見直す:特に朝食や間食での糖質摂取に注意が必要です。

  3. バランスの良い食事:糖質だけでなく、タンパク質や脂質、食物繊維をバランスよく摂取することが大切です。

  4. 食事の順序を工夫する:野菜→タンパク質→炭水化物の順で食べることで、血糖値の急上昇を抑えることができます。

  5. 運動習慣の確立:適度な運動は血糖値のコントロールに効果的です。

山田医師の著書『糖質疲労』では、これらの対策に加えて、一般的に健康的とされている食習慣の中にも、実は糖質疲労を引き起こす可能性のあるものがあることを指摘しています。例えば、朝のリンゴ、シリアルと低脂肪ヨーグルトの組み合わせ、スムージー、エナジードリンク、ファスティング後の酵素ジュースなどです。

糖質疲労の概念は、現代の食生活と健康問題の関連性を新たな視点から捉えたものです。山田医師の提唱する「糖質疲労」への理解と対策は、多くの人々の健康維持と生活の質の向上に貢献する可能性があります。

参考文献:
[1] https://harriny.jp/blog211/
[2] https://gendai.media/articles/-/126606
[3] https://hicbc.com/magazine/article/?id=genki-column-240915
[4] https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784763141217
[5] http://www.nakajima-sukoyaka.com/hiro.html
[6] https://www.kitasato-u.ac.jp/hokken-hp/special/specialists/doctor_yamada.html
[7] https://www.shoku-do.jp/column/toushituhirou/
[8] https://www.pasconet.co.jp/teitoushitsu/interview/index.html

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