箱の裏の言葉は教典です。
2020年の3月、ポルノグラフィティのギター晴一さんのレギュラーラジオ『カフェイン11』で、『どうしてもカレーが美味しく作れない』といった旨のメールがあった。晴一さんはヴァイオリニストのNAOTOさんほどではないものの、結構カレー好きだ。だから彼なりのこだわりや隠し味的な話が聞けるかと思った。
しかし彼の回答はこれだった。
『あんなもんカレールーの箱の裏に書いてあるレシピをいかに忠実に作れるかだけの問題』
えっそっちかよ、と思わず笑ってしまったが、確かに、料理が美味くならない人はレシピが悪いか、実はレシピ通り作っていなかったというのが多いのかもしれない。
『箱の裏をよーく読んで一字一句漏れなくやって、あとはカレーの望むまま』
私は結構レシピ通り作っている方なので、この時は笑いながら聞き流していた。
今日、久しぶりにカレーを作ったのだが、突然そのラジオを思い出した。「まぁレシピ通りの順番で具材炒めてるし、時間も間違ってないし、水の量も大丈b・・・・んん?」
そう、とある一文を無視していたことに気がついてしまったのである。
それは具材を炒め、水を入れたあとの工程にあった。
『水を入れ、沸騰させた後15分煮込む』
ん?
沸騰させた後???
あれ、そういえば私いつも水入れて15分測っていたような・・・
とにかく、レシピ通りに沸騰させてから15分煮込んだ。
その後、ルーを入れて完成した。
あれ・・・いつもとなんか違うぞ・・・美味しいぞ・・・
実は、私が作るカレーは全てスープカレーみたく『しゃばしゃばなカレー』になってしまう現象が起きていた。しかし今回はルーいれてちょっと煮込むだけで、よく見るちょっとドロっとしたカレーになった。
そうこんな些細なことでだいぶ出来栄えが変わってしまう。これがカレーという料理なのだ。
もしあなたが、『カレーしゃばしゃば問題』に悩まされているのならば、もしかしたら『沸騰』の言葉を見落としている可能性があるので、教典は一言一句しっかり読もう。
※ちなみにこれは私が買ったルーの箱に書いてあったことであり、全てのカレールー一概に言えることではないのでお気をつけを。