甥っ子に自分の若い頃の姿を見る~前編
この文章は2018年4月に書いたもので、その時点での私の気持ちを綴ったものです。
後日後編にて、去年から今年にかけての甥っ子との1年について綴ってみようと思うので、それを踏まえてお読みいただければ幸いです。
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先日、今年高2になった私の甥っ子が我が家に遊びに来ました。
うちの弟の子供なのですが、10年ほど前に離婚したので今は元嫁の実家に預けられて暮らしています。
離婚したにも関わらず元嫁サイドがものすごく好意的で、孫のいなくなった我が家の両親を気遣って定期的に(年に1、2度程)甥っ子を遊びに来させてくれているわけです。
一生両親に孫の顔を見せてあげられない私としては本当に有難い限りです。
そんな甥っ子は我が家のDNAを色濃く受け継いでいるようで(うちの弟の血を継いでいるので当たり前なのですが)、でも何故かうちの弟というよりは私に似てきている感じでして。
気づけば鉄道オタクに、そして中学以降部活は吹奏楽部に(うちの弟は鉄道にはまったくの無関心、部活は帰宅部)。
最初に聞いた時に思わず「なんで???」と言ってしまってから早4年が経過。来年はもう高3、大学受験を控えています。
中学まではたいして勉強しなくてもそこそこ成績がよかったらしく、住んでいる地域では一番の進学校に合格して通っています。
部活もコンクールで県大会を勝ち抜けるような割と強い高校なので、部活に勉強にさぞかし忙しい生活を送っているのだろうと思いきやどうやら相変わらず勉強はしておらず、成績は悪いとのこと・・・
今回札幌に来るにあたって元嫁サイドから、言うことを聞かないのでなんとか勉強するよう上手く仕向けて欲しい、との懇願を受け、さてどうしたものかと思いつつ受け入れた次第です。
で、実際迎えて話を聞いてみたところ・・・
私「志望校は決まったの?」
甥「いや、まだ・・・」
私「将来なりたい職業とか勉強したいことはあるの?」
甥「いや、それもまだよくわからない・・・」
このやり取りで、ふと思ってしまったことがありました。
『ちょっと待て、これは俺とまるっきり同じじゃん・・・』
ここから先は私の高校時代の話になりますが、かれこれ30年前、昭和から平成に世が変わった頃の話です。
時代は違えど私も甥っ子同様、中学まではたいして苦労もせずに周りに言われるがまま特段何の目的もなく一応進学校へ進みましたが、これまた同様に進学後も相変わらず勉強はしなかったため当然成績は下位で低迷。
なんとなく雰囲気で志望校(大学)だけは決めていたので最初の面談でそれを話すと「今の成績じゃ無理だね」と当然のようにあっさり一刀両断。
そして、将来のビジョンなどはまるっきり考えていませんでした。
小学生の頃に、友人の物真似で「漫画家になりたい」なんて思っていたことがあるような気がしますが、そもそも画才などあるわけもなく。
部活で楽器はやっていましたが、音大に進む気なんてさらさらなく。
なんとなく大学には行ってみたいという気持ちだけはあるけれど、それ以上のことはまったくのノープラン。
ところが、周りの同級生達を見てみると医者志望や弁護士志望、はたまた東大、京大、早稲田、慶応・・・志望校や将来なりたい職業が既にしっかり決まっている人の多いこと!
目標がある人達は当然ながら目標に向かって日々努力しています。
それにひきかえ、目標のない私は毎日好きなこと(部活)だけのために学校へ行き、中学までの延長線上をのんべんだらりと生きていました。
今振り返って思うと、周りの意識の高い同級生達に対して何とも表現し難いコンプレックスみたいなものを持っていたじゃないかと思います。
目標や主義主張をはっきり持って未来を目指す人達がたくさんいる中、そういうものを見つけられずにただダラダラと毎日を過ごす自分。
成績の悪い私を見下すような態度を取られたりすることもあったと思うのですが今になって考えれば劣等生の私が勝手にそう受け取っていただけかもしれません。
部活でも個性と我が強い人が多く、意見も譲り合わないためなかなか纏まらず反りが合わないと言って途中で辞める人も続出し、皆で楽器を吹くという本質的な楽しみすらあまり見出せない感じでした。
そんなこともあり、高校時代に友人と呼べる人はほとんど居ませんでした。
私の高校時代は黒歴史となったのです。
甥っ子の話を聞いている限りでは、幸い今のところ彼は学校も部活も楽しいと言っているので、私のような卑屈な感情は持っていない様子なのですが、周りと違う自分に若干のコンプレックス的な何かは感じているのかもしれない、ということを、それがわかっていてもやらない、できない、親の言うことも聞かず逆に見下す、というあたりから勝手に想像してしまいました。
変なところは似て欲しくない、このまま楽しい高校生活を過ごして欲しいと思いながら、黒歴史にならないようできる限りのアドバイスを送って、家へ帰しました。
そんな出来事もあり自分の黒歴史を嫌でも思い出す結果となったのですが、改めて思ったのが、そもそも自分には若い頃から夢も希望も何もなかったんだ、ということ。
なんとなく成長し、なんとなく大人になり、なんとなく歳を重ねて今に至った、と。
唯一、趣味として楽器を続けていくことが生き甲斐かな、と思っていましたがその意欲もなくなってしまった今、何を拠り所に生きていけばいいのかわかりません。
いい歳して人生の迷子になるなんて、情けないにも程がありますな。
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