超えていける夜を
こんなにたくさんのことを感じなければ
どれだけ楽だっただろうと
思った夜は何回あっただろう
こんなにたくさんのことを知らなければ
どれだけ悲しみに触れないでいただろうと
思った夜は何回あっただろう
それでもある人は言う
気づかない人が幸せだとは限らないよって
でもその時は気づけない
受け取ってしまった色と温度が
身体中巡ってしまって
その周波数に身体ごと染まってるから
できることは
出会ってしまったその悲しみを
ただ、味わうことだけ
めいいっぱい味わったら
そっと手放せる時がやってくる
そんな夜を何度超えてきただろう
そうして眠りについたら
ケロッと忘れて
またふと思い出す
一度知った味を
完全に忘れてしまうなんて
できっこないから
そんな夜を何度超えていくだろう
そうして少しだけ優しくなって
歩いていたら
またふと思い出す
気が付かない人が幸せとは限らないよって