WHOもオススメするHPVのセルフケア
こんにちは、ハッチヘルスケアのインターン生の高橋です!
本日は、WHO(世界保健機関)のHPVセルフケアに関する記事を抜粋・翻訳して、ご紹介させていただきます。翻訳元は、「WHO recommendations on self-care interventions 」 となります。以下より、翻訳・引用します。
*セルフケアとは
医療提供者のサポートの有無に関わらず、健康促進・病気の防止・健康維持・病気の対処を目的とした個人・家族・コミュニティーの能力を示します。
*WHOのセルフケアに関するガイドライン
・2030年までに世界中で、推定1,800万人の医療従事者の不足が予想されること。
・世界中で少なくとも4億人が主要な健康サービスにアクセスすることが出来なくなること。
・パンデミックを含む、人道的緊急事態の期間、日常の医療サービスが中断され、既存の医療制度が拡大する可能性があること。
一部の医療サービスにおいて、セルフケアを取り入れることは初期段階のヘルスケアを強化するために革新的な方法であるとされています。また、それはユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の状態を増幅し、万が一健康に異常が発生した際に受けることが出来なくなるような健康サービスを継続して受容可能な環境を確保してくれます。
💡豆知識💡 ユニバーサル・ヘルス・カバレッジとは
全ての人が適切な予防・治療・リハビリ等の保険医療サービスを、必要な時に支払い可能な費用で受けられる状態を示します。
*子宮頸がんの予防とスクリーニング
・子宮頸がんの99%はヒト・パピローマウイルス(HPV)と呼ばれる高リスクなウイルスの感染によって引き起こされます。このウイルスは性行為によってヒトからヒトに移ります。
・特定の高リスクウイルスに対するワクチンは子宮頸がんを防ぐ上で非常に大事な方法です。しかし、多くの国の女性たちはこれを使用することが出来ません。
・前がん性の病気に対するスクリーニングサービスと治療は二次的防止に役立ちます。
・WHOは子宮頸がんスクリーニングにおいて3点を推奨しています。
1.HPV検査
(子宮の入り口をブラシなどでこすって細胞を採取します。採取された細胞は機械にかけられ、高リスク型HPVに感染した細胞の有無を調べます。)
2.組織診
(子宮の入り口に酢酸というお酢を付けたガーゼを1~3分程度押し当てます。これによって病変部分は白く変色します。
コルポスコープという拡大鏡で観察しながら、白く変色した病変部分を組織の塊として数ヵ所採取します。採取する組織の大きさは米粒の1/3くらいの塊です。)
3.細胞診
(子宮の入り口をブラシなどでこすって細胞を採取する簡単な検査です。採取された細胞は顕微鏡で細胞の異型を調べます。)
・早期に診断され、効果的に治療した場合、子宮頸がんは最も治療可能ながんの一つです。
*子宮頸がんスクリーニングにおける課題
・多くの国では、女性の大多数がスクリーニングサービスを利用することが出来ません。前がん病変は発症するのに何年もかかる可能性があるため、30歳以上の女性たちは定期的にスクリーニングを受ける必要があります。
・良いサービスを利用できる場合であっても、女性は定期的にスクリーニングを受けない可能性もあります。その背景として、恐れや恥・宗教的配慮・サービスを受ける上での時間と距離の問題などがあります。
WHOは30〜60歳の女性を対象に子宮頸がん検診サービスの一貫として、HPV自己サンプリングの利用を推奨しています
セルフサンプリングでは、個人が検査キットを入手し、自分の膣サンプルを採取します。それは、家・医療施設などで一人で行うことが出来ます。もし陽性の結果が出た場合、個人は追加の臨床評価と治療を受けられます。
*セルフサンプリングの流れ
1.綿棒またはブラシを膣に挿入し、10〜30秒間優しく回転させます。
2.綿棒またはブラシを取り外します。
3.付属の採取チューブに移します。
4.チューブを密封し、ラベル付けします。
5.サンプルを研究所へ送ります。
このようにセルフサンプリングでは、非常に簡単に検査をすることが
可能です。
*参考文献
World Health Organization(2020)
「WHO recommendations on self-care interventions 」
https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/332333/WHO-SRH-20.12-eng.pdf?sequence=1&isAllowed=y
【このnoteを書いたのは】 インターン生 高橋杏佳
早稲田大学所属。普段はHatch Healthcare株式会社で、noteの記事作成やPR活動を担当。