ドット絵リメイキング『ショートケーキ』
本日は『ショートケーキ』のドット絵メイキングをお届けします! もとはnote書き始めから1周年のときにタイトル絵に使ったものでした。
ただこれ、あまりデキが良くなくて、見返すのもイヤだったんです。
ドット絵らしいコントラストがないし、それでいてリアルなわけでもないし……。
とはいえ、いつまでも目を背けていられないこともありますので、むしろリメイクする機会を作るためにも一念発起してドット絵メイキングをお届けすることにしたわけです。
なお、いま目を背けたいものナンバーワンは、カレンダー! なんと恐ろしいことに、今日はぼくの誕生日なのです。お、おめでとうございます!
と、「他人事」にしておいて、ささっとさっそくメイキングを始めます!
まずは下描き
まずはショートケーキ1ピースの下描きから始めます。キャンバスは24x24ドットにしました。
手順①でケーキ1ピースの全体(ややこしい)のアタリをとります。このとき先にケーキを見る角度を決めてしまわずに、とにかく線がキレイになることを最優先にしました。先に角度を決めてしまって、すっきりしない線を描くのはいやいやですからね。
手順②では、上に丸いクリームの玉と、イチゴを載せてバランスを見ます。
「だいたいこんなもんでしょ」という感じにできたので、先へ進みます。
描き込みを進める
手順③では、まず絵の内側にある下描き線(上面と側面の境界)を消しながら、クリーム部分を塗っていきます。上に乗せているクリーム玉も、この時点でサイズを調整しつつ整えました。
続く手順④では、イチゴに着手します。上に乗っているイチゴの形を自然なかたちに整え、ケーキ側面のクリーム層のなかにも、イチゴを埋め込みます。
微調整を行なって完成(仮)
ケーキ側面のクリームとスポンジの層がくっりき直線的にわかれているのが気になります。
手順⑤ではスポンジ側に少し明るい色を加えて、クリームとスポンジの境界をぼかしました。
また、ここまで来てケーキの右端が少し狭く、右のイチゴがクリームをおし潰してしまいそうに思えることに気付きました。そこで手順⑥では、ケーキ本体を1ドット右に広げています。
ここまでが、初回使用時に完成形とした「不味そうなショートケーキ」です。
問題点を見直して、リメイクを始めましょう。
気になるポイント
このショートケーキに満足できない理由、ケーキが不味そうに見える原因を挙げていきます。
①白いクリーム部分がぼんやりしている。先日『かき氷』でも触れたように、「キレイ、明るい」を強調した広告に慣れていることもあって白いスイーツを高めのコントラストで塗るのには心理的抵抗があり、平坦な絵にしてしまいやすい傾向が出ています。
②スポンジが不味そう。これは先日『プリン』で触れたように、卵の黄身成分を軽んじているからです。クリームの白に引きずられたせいですね。
③白いクリーム部分がぼんやりしている一方、イチゴは派手で際立ちすぎ。特にケーキ側面のクリーム層のなかのイチゴが気になる。
④上に乗っているイチゴが雑に塗られているだけで、外形以外にイチゴらしさがない。「リンゴ飴」みたいにも見える。
以上の4点を順番に修正していきます。
修正① クリーム周辺の色を塗り直す
側面側のクリームをわずかに暗く、そのかわり少し黄色味を持たせて濃くします。また、スポンジの黄色味(オレンジ寄り)を強く、濃くしました。
ただ、この段階ではケーキ側面に「暗い色のクリーム層」が多く存在するのがとても気になります。ちょっと汚いですよね、これをどうにかしないといけません。
修正② クリーム周辺をさらに調整
まず、スポンジ層にさらに明るい色を1色加えつつ、スポンジ層そのものを少し広げます。これによりケーキ側面上部のクリーム層を狭くすることで、暗めの白色が使われている面積を減らし、絵全体を明るく見せています。
また、ケーキ側面のフチドリ色を「クリームの暗色」から「スポンジの暗色」に変えることで、色味を増しています。
修正③ 側面のイチゴの際立ちを抑える
次に、側面のクリーム層に埋まっているイチゴが派手で際立ちすぎている問題を修正します。リアルに考えると「ケチくさいショートケーキ」としては自然なのですが、絵的にバランスが悪すぎです。
そこで、まずはクリーム層に見えているイチゴの数を3つにしました。
これは、広いクリーム層のなかにちょっと離れて2つの独立したイチゴがあると、それぞれのイチゴが「異物」的に注目されやすいのを防ぐため。「クリーム層のなかのイチゴ(目立つ)」ではなく、いっそ「イチゴ層」に変えてしまおうというわけです。「丘の上の二本松」が「松林」に変わって、待ち合わせ場所には使えなくなった感じでしょうか。
もちろん、イチゴの色は少し白めの色にしてクリーム層と馴染ませます。
なお、イチゴの数を増やしたことで、ついでに懸案の「暗いクリーム色」の面積を減らすことにも成功しています。
修正④ 上に乗っているイチゴを調整する
最後に、上に乗っているイチゴを調整します。
イチゴを全体をより明るい塗り直したうえで、ハイライト色を加えました。
イチゴの表面がブツブツなのを考慮して、広めのハイライトの中央に穴をあけるなど、同じ色を連続させないようにしています。これで、リメイク前のツルツル感をなくし、イチゴらしい質感を出せました。
以上で、ドット絵『ショートケーキ』のリメイクは完了です!
不味そうだったケーキが少しでも美味しそうに見えるようになっていたら良いのですが、いかがでしょうか!?
(おいしい)
おおっと、「おしまい」と書こうとして、ついつい気持ちがあふれ出てしまいました。
やっぱり食べずに描いたらダメなんでしょうね。長らく誕生日にケーキなんて食べていないけど、今日はちょっと近所のケーキ屋さんを覗いてみようと思います。
今なら、不味いケーキを見極められそうな気もしますからね。
(おしまい)