合成モンスターを作ろう! 素材準備編①
ドット絵で苦手なオリジナルモンスターを描けるようにモンスターデザインを学ぼうという企画の3回目です。
前回、前々回と『FINAL FANTASY XI』(FF11)のモンスターをじっと見つめてきましたが、ここらで一度手を動かそうということで。FF11に習って、なにかとなにかを"かけあわせ"て合成モンスターをデザインに挑戦します。
なにをモンスターとするのか考える
すでにタイトル絵でバレていますが、今回モンスターとして描いてみようと思ったテーマは「爆弾」と「プリン」のふたつです。
今回、合成モンスターに挑戦するにあたって「かわいい系モンスターにしよう」との方針はなんとなく決めていたのですが、ここに考えなくてはいけない大事なポイントがあります。
世の中にはファンシー系デザインの「かわいい系モンスター」が登場するゲームがいくつもありますが、「もともとかわいいもの」をモンスター化してしまっているケースがけっこうあるんですね。ネコとかウサギとか、あるいは昆虫でも蝶々のような綺麗系などなど。
それはそれでまあいいのですが、ほとんど無害な"かわいいもの"をわざわざ作って、かつ、子どもが現実のそれを敵視したり乱暴なことをしないような理由付け(操られているとか、ゾンビ化したとか)をするのは本末転倒な気がするのです。ゲームではありませんがアニメ『プリキュア』だと、敵役は「子どもたちが気を付けなくてはいけないもの」がほとんどです。蜂とか、サラリーマン(笑)とか。
はじめはウサギやクァール(FF11で「猫」と呼ばれてしまっている)のような小動物を「問題ないかたち」でモンスター化してみようかと思ったのですが、これはさすがに難しく、荷が重いのでやる前からギブアップ。いつか、良いアイディアを思いついたらあらためて挑戦するかもしれません。
そこで今回は、天野喜孝さんデザインのモンスター「ボム」と「プリン(フラン)」を、天野さんとは違うかたちで、かつFF11に習って合成モンスターにしてみてはどうかと考えたわけです。「モンスターデザイン初心者が、いきなり天野さんに挑戦かよ!」と思う方もいるかもしれませんが、初心者だからこそ「まったく到達できませんでした!」と言える高い山を目指すのです。
ベース素材① 爆弾
というわけで、天野さんのデザインしたモンスターのなかでも特にすばらしいと思う「ボム」から、爆弾を最初のテーマとして選びました。
昔からイラストやゲームなど、世間で「爆弾」と言えばこのような黒い玉が描かれることが定石ですが、爆発する前の鉄球を見せられても大して危機感は感じません。爆弾や化学について正しい知識がなければ「なかに火薬が入っているとしても、鉄のボディを打ち破って爆発できるの?」と思っても不思議ではありません。
しかし、FFシリーズのボムはご存じのとおりの「火の玉」的な赤い姿。"その後、爆発すること"を本質と見定め、その瞬間を抽象的に描いたデザインは、誰にでもできるものではありません。
わざわざ自分でハードルを上げるのはいかがなものかと思いますが、挑戦しがいのあるテーマであることを強く申し上げたい! のです。
ベース素材② プリン
テーマはひとつでも良かったのですが、どうしても「プリン」が気になってしまったので、これにも挑戦することにしました。
「プリンは子どもが気を付ける必要のない"無害なかわいいもの"では!?」というツッコミがあるかもしれませんが、プリンは食べすぎ注意の危険物質です。いまも画像検索でプリンの写真を見ているだけであやうく戻ってこられなくなりそうでした。これはモンスターとして討伐しなければなりませんし、モンスター化するにあたっては念入りな事実確認のために資料としてプリンを買ってこなければいけません。
買い物に行ってきますので、記事は次回に続きます!
(つづく)