
誰得ドット絵『Newton』
さて今回の誰得ドット絵は『Newton』です。「何?」って言われそうですけど、科学誌『Newton』のNewton(ニュートン)です! いいよNewton!
みなさん、Newtonとは……

いや、クドクド言っていると読者さんを置いていきそうなのですぐにドット絵を描いていきましょう。この熱い気持ちはドット絵に込めるのです。
今回はイラスト的な表現の都合により、雑誌の「閉じた状態」と「開いた状態」の両方を描いていきます。閉じた状態=表紙だけでは絵的におもしろくありませんし、ページを開いた状態だけでは何の雑誌かを示すのが難しいですからね。
まずは"開いた雑誌"から描く
全体のバランスの都合を考えて、まずは開いた状態から描いていきましょう。「開いた雑誌」として単独でも成り立つよう、32x32ドットのキャンバスに収まるようにします。

手順② やわらかい雑誌らしく、左右のページをふにゃっと湾曲させる。
手順③ ページ下端のラインをページ上にコピペして、全体を囲む。

手順⑤ ページの厚みを意識してグレーを配置。
手順⑥ 厚みをもう1層追加。外周はNewtonらしい朱色に。
Newtonの見た目は表紙が朱色(濃いオレンジ色)なのが特徴です。ただし、ページ内にはほとんどこの朱色は使われていません。とはいえ表紙が見えないこの視点では、白いページだけでは何の雑誌だかわからない! そこで「らしさを強調したい」というご都合主義により、外周・裏表紙にあたるページは朱色にすることにしました。
科学誌のドット絵にはあるまじき捏造ですが、ご容赦を……Newtonの話題だからってリンゴを投げるのはやめてください!
ん!? ひょっとして「朱色」ではなく「リンゴ色」なんでしょうか?
基本的にクールな誌面作りなのに、なんで表紙が赤いんだろう? と思っていたのですが。まさか。
次は"閉じた雑誌"を描く
さて作業に戻ります。「開いた雑誌」を描いたことで雑誌のサイズ感は定まったので、次は"閉じた状態"の雑誌を描いていきます。

手順⑧ ページの厚みと中綴じ(※)であることを意識してアウトラインを整える。
手順⑨ ざっくり配色。表紙は特徴的な朱色またはリンゴ色に。
Newton(本誌)はページの真ん中をホチキス止めしている「中綴じ」タイプの雑誌なので、背表紙がありません(背表紙があるのは「平綴じ」)。そのため手順②では左側はうっすら丸味を帯びた形状にしています。
まあNewtonはパリッとしたツルツル用紙がぎっしりの重い雑誌なので、こんなに(右側が)バサッと開きそうな感じではないんですけどね。隙なく整った本であるNewtonは、まったく"雑"な感じがありません。雑誌というより「整誌」と呼んだ方がいいかもしれませんね。
細部を描き込む
開いた状態も閉じた状態も形状はまあ良しという感じになったので、あとはそれぞれの細部を描き込んでいきます。

手順⑪ メインビジュアル部分に記事タイトルっぽいごにゃごにゃを加える。

手順⑫ タイトルの白文字や、コラム枠(黒い)を加える。
Newtonの誌面は、ふんだんにイラスト・CGが使われており、全面イラストの上に文字が乗っていることが少なくありません。ただしイラストといっても「宇宙」だったり「深海」だったり、分子構造の背景としての「謎の異空間」みたいだったりなので、カラー的には暗い寒色が多用されがちです。
これが、なかなか他誌にはないNewtonらしい誌面構成だと思うので、今回は全面を暗いブルーで塗り潰してみました。さすがにちょっと大袈裟だけど!
おそらくNewtonには、「科学の難しい話をするときに文字ばかりでは読んでもらえないからビジュアルをふんだんに使おう」といった編集方針があるんだと思います。そのぶん文章は容赦ないこともあるので、「ビジュアルだけ見てわかった気になれ」という思惑もあるかもしれませんが、推測にすぎない非科学的な話ので今回はやめておきましょう。
揃えて完成!
さて最後に、閉じたNewtonと開いたNewtonを隣に並べてイラストチックにまとめると……

誰得ドット絵『Newton』の完成です!
『Newton』と言えばぼくの昔からの愛読書……と言いたいところですが、かな~り長いこと購読していませんでした。内容が濃くて、なかなか読み切れずにいるうちに距離ができてしまっていたんです。あと本屋さんへ行く機会も減っちゃいましたからね~。
ところが! つい先日、2月の猫の日商戦の時期にNewton別冊『Nyaton』(ニャートン)が発売されたのを知り、久しぶりに購入!

冒頭から遺伝子の話を始めるような相変わらずの容赦ない内容でしたが、ひととおり読み終えました。最高でした。
やっぱり、「雑誌のある生活」ってイイ!
Newtonだけでなく紙の雑誌自体を購入するのが10年ぶりくらいですが、まだコタツがあるこの時期、隙間時間にのんびり紙の雑誌のページをめくりながらぬくぬく過ごすひとときは至福の時でした。
荷物を増やしたくないとか言ってないで、また雑誌生活を再開しようかな。コタツにミカン……いやリンゴを揃えて、ね。
(おしまい)