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敬老ドット絵メイキング!?『おばあちゃん』

(前回までのあらすじ)
アンハッピーマンデー法によって祝祭日のほとんどが移動式になって幾年月。当の老人たちは「たしか9月15日が敬老の日だったはず……」と記憶に自信を失い、老いを意識して塞ぎこみ、元気をなくして寿命を短くしていった。年金支払い額を減らすためなら、えんやこら。手段を選ばぬヘイトネイション・ニッポンでは次の老人迫害計画が進んでいたが、まかれた種が芽を出すのは今の若者世代が高齢化したころであった――

なんて陰謀論があるわけではありませんが、筋書き通りに進んでいるので気を付けていきたい今日この頃。敬老精神にはピンと来ないという若い世代も、自分が老人になったときのことを考える日にしていけたらいいですね。

今日は、老兵男子のパートナーとなる『おばあちゃん』を作成するので、ぼくも将来おばあちゃんになったときのこと(?)をよく考えながら作業したいと思います!

おばあちゃんの少年時代を振り返る?

おばあちゃんを作るといっても、その素体には「少年」を利用します。少ないドット数で表現するにあたって女子は髪の量を増やすことで男子と差別化したので、髪の量が少ないことが特徴のひとつの老婦人を描くための素体には適さないのです。

手順①②③

手順①では、まず袖をのばしました。

「おばあちゃん」といっても色々ですが、今回はわかりやすくコミック的な「昭和のおばあちゃん」にしたいので姿は「割烹着+着物」にします。その割烹着の、長い袖が手首で絞まっているイメージです。

手順②では、腰より下の前掛け・前垂れ状の部分を足して割烹着を長くしました。なんだか「幼稚園児」みたいですね。先に孫ができてしまった感じです。

手順③では、首元を開いて着物の襟あたりを見せつつ、ズボンを着物(左右の脚がわかれていない)状に変えました。足元は元の靴下のままですが、"足袋"っぽいのでこのままいきましょう。

まだ顔が少年のままなのでかなりの違和感というか"ドリフ"感があります。志村けんというより、加藤茶でしょうか。

髪を整える

次に女性らしく見せるために髪を整えていきます。「"女性らしく"なんて昭和のジェンダー感を押し付けるようなことはされたくないわね」と心の底のおばあちゃん魂が抗議の声をあげますが、まさしく昭和のイメージでやっているので今回は仕方ありません。

手順④⑤

手順④では、まず髪をきつくまとめている様子を出すために頭部全体を小さくまとめます。ここでのポイントは富士額(ふじびたい)です。もう1ドットおでこを出したいところなのですが、薄毛になりすぎるのでやめました。

手順⑤では、後頭部に"お団子"を足して、髪をうしろで結っているさまを示します。「らしく」なってまいりました。

色を調整

形状的にはできあがりと言ってよさそうなので、あとは全体の色を見直していきます。

手順⑥

手順⑥では、まずポリエステルのYシャツがベースになっていた割烹着を「綿」らしくやさしい乳白色に変えています。

また、頭髪は「髪の量が少なく地肌がのぞく+少し白髪まじり」を意識して薄めの色に変えました。この色は少し明度を上げ、少し黄色味をつけ、彩度を下げたものです。

あとは肌の色も少し白めにして、彩度も下げました。

でも、これだと年齢的には50歳くらいでしょうか。"自分が25歳で生んだ娘も25歳になって出産し、孫ができた"と考えれば、孫との関係性としては「おばあちゃん」で間違いないのですが、電車で席を譲られたり、敬老の日に贈り物をされたらモヤっとすることでしょう。「あたしゃ、そんな歳じゃないよ!」ってなもんです。加藤茶の声でね。

そんなわけで、髪をさらに少し明るく、黄色味を加え、彩度を下げて……

髪をより白くして完成

「あまりリアルに描かないでいいのよ!」という声が聞こえる気もしますが、さらに明るい白線を加えて髪が後ろへ流れる様も表現して、もうひとり"高齢者"としての「おばあちゃん」も完成です。

敬老の日なんだから、こっちが主役ですけどね。

さ、あとは……

おばあちゃんたちをおじいちゃんの隣に座らせてみたけれど、なんだかどこかの待合室みたいですね。どちらかと夫婦のようには見えません。

やはり、パートナーは自力で見つけてもらうしかないようです。与えられる"モノ"ではないのですから。

(おしまい)

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